(2006/ソフィア・コッポラ監督・脚本/キルステン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン、リップ・トーン、ジュディ・デイヴィス、アーシア・アルジェント、マリアンヌ・フェイスフル/123分)
F・F・コッポラさんの娘さんが脚本・監督、そして製作にも加わっていて、勿論、製作総指揮にはお父上のお名前も。そんな話題が先行していた作品で、元々父親の映画が好きじゃない私としては全然観る気がなかったのですが、娘がレンタルしてきましたので観てみました。
14歳で政略のためにオーストリアからフランス王家へ嫁いだマリー・アントワネットの、結婚直前から断頭台の露と消える直前までを描いた作品です。
前半、幼い王女が愛犬や馴染みのお付きの者達と長旅の末に別れ、慣れない外国の王太子妃となり、着替えから入浴、食事、そして就寝まで、四六時中監視されているような生活を強いられていくところは、同情的な描き方であり分かり易いです。
政略結婚には両国ともに世継ぎの誕生を望んでいる背景があるわけですが、肝心の王太子には全くその気がない。ベッドを共にしても、キスもしない。太子の趣味が鍵作りというから、今風に言えばオタク、性的に幼稚な男性として描かれているようでした。夫婦でオペラの観劇に行った際に、マリーが慣習を破って俳優達に拍手を送り、観衆達がそれに従った夜には、少しだけですが彼女にスキンシップを試みます。強い女性に惹かれる所も幼稚っぽい男性ですね。
世継ぎの誕生はオーストリアにとってはフランスとの『同盟の確立』であり、『子供が出来ないうちは、あなたの王太子妃の立場は不安定なのよ。』、『王太子をその気にさせるのが、あなたの勤め。』などと母親は手紙を寄こし、それがまたマリーを苦しめます。
女性としての自分に関心を示さない夫と、それを誰にも相談できない妻。逃げ出すわけにも行かず、若い妻は食べ物やファッションへの贅沢三昧でストレス解消をはかる。オープニングと共にロックな音楽をちりばめて、マリーについても現代的な解釈がなされています。
王太子の弟夫婦に先に赤ん坊が生まれ、ますます宮廷内の彼女に対する悪口もあからさまになっていきますが、父親のルイ15世が亡くなり、マリーの夫が正式にフランス国王ルイ16世となった後、ようやくマリーにも赤ん坊が出来ます。
親に期待されているとやる気が無く、親から解放されるとその気になるという亭主も現代風ですかな。
『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、マリー・アントワネットは1755年11月2日に生まれ、1793年10月16日に亡くなっています。享年38歳ですね。
映画は、18歳で王妃となってからの20年間は月日の流れを感じさせるような工夫もなく、だらだらと描いていました。画面も平坦であり、登場人物の心理描写も浅いままで流れていきます。マリーとスウェーデンの公爵との浮気などもありますが、これ以降は早送りで観てしまうほどつまらないシーンの連続でした。
2006年のアカデミー賞では衣裳デザイン賞(ミレーナ・カノネロ)を受賞したそうですが、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールのノミネートには合点がいきませんなぁ。
マリーの母親役がマリアンヌ・フェイスフル。「あの胸にもういちど(1968)」のあの可憐なセクシー女性が、歴史物の似合う貫禄のおばさんになっておりました
F・F・コッポラさんの娘さんが脚本・監督、そして製作にも加わっていて、勿論、製作総指揮にはお父上のお名前も。そんな話題が先行していた作品で、元々父親の映画が好きじゃない私としては全然観る気がなかったのですが、娘がレンタルしてきましたので観てみました。
14歳で政略のためにオーストリアからフランス王家へ嫁いだマリー・アントワネットの、結婚直前から断頭台の露と消える直前までを描いた作品です。
前半、幼い王女が愛犬や馴染みのお付きの者達と長旅の末に別れ、慣れない外国の王太子妃となり、着替えから入浴、食事、そして就寝まで、四六時中監視されているような生活を強いられていくところは、同情的な描き方であり分かり易いです。
政略結婚には両国ともに世継ぎの誕生を望んでいる背景があるわけですが、肝心の王太子には全くその気がない。ベッドを共にしても、キスもしない。太子の趣味が鍵作りというから、今風に言えばオタク、性的に幼稚な男性として描かれているようでした。夫婦でオペラの観劇に行った際に、マリーが慣習を破って俳優達に拍手を送り、観衆達がそれに従った夜には、少しだけですが彼女にスキンシップを試みます。強い女性に惹かれる所も幼稚っぽい男性ですね。
世継ぎの誕生はオーストリアにとってはフランスとの『同盟の確立』であり、『子供が出来ないうちは、あなたの王太子妃の立場は不安定なのよ。』、『王太子をその気にさせるのが、あなたの勤め。』などと母親は手紙を寄こし、それがまたマリーを苦しめます。
女性としての自分に関心を示さない夫と、それを誰にも相談できない妻。逃げ出すわけにも行かず、若い妻は食べ物やファッションへの贅沢三昧でストレス解消をはかる。オープニングと共にロックな音楽をちりばめて、マリーについても現代的な解釈がなされています。
王太子の弟夫婦に先に赤ん坊が生まれ、ますます宮廷内の彼女に対する悪口もあからさまになっていきますが、父親のルイ15世が亡くなり、マリーの夫が正式にフランス国王ルイ16世となった後、ようやくマリーにも赤ん坊が出来ます。
親に期待されているとやる気が無く、親から解放されるとその気になるという亭主も現代風ですかな。
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『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、マリー・アントワネットは1755年11月2日に生まれ、1793年10月16日に亡くなっています。享年38歳ですね。
映画は、18歳で王妃となってからの20年間は月日の流れを感じさせるような工夫もなく、だらだらと描いていました。画面も平坦であり、登場人物の心理描写も浅いままで流れていきます。マリーとスウェーデンの公爵との浮気などもありますが、これ以降は早送りで観てしまうほどつまらないシーンの連続でした。
2006年のアカデミー賞では衣裳デザイン賞(ミレーナ・カノネロ)を受賞したそうですが、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールのノミネートには合点がいきませんなぁ。
マリーの母親役がマリアンヌ・フェイスフル。「あの胸にもういちど(1968)」のあの可憐なセクシー女性が、歴史物の似合う貫禄のおばさんになっておりました
・お薦め度【★=前半はいいんですが後半で台無し、あまりお薦めしません】
十瑠さんがこれをご覧になるとは、ちょっぴり意外でした。まあ私も劇場で観てるんですから、あんまり大きなことは言えませんが(笑)。
後半、なぜか植木等氏の記事になっている(爆)旧記事を持ってまいりました。よろしければご笑覧くださいませ。
だいぶ前に、NHKのドキュメンタリー枠で、マリー・アントワネットの生涯をドラマ仕立てで放映してました。フランス製の番組だそうで、脚本がなんとジャン・クロード・カリエール!(「存在の耐えられない軽さ」、「五月のミル」)そりゃ面白いはずだわ(爆)。この映画より数倍内容の濃いドラマでした。
本記事にも書いていますが、コレ、娘がレンタルしてきたんですよ。
ティーネイジャーの頃の描き方はアレで良いんでしょうが、その後はつまらない映画でした。
NHKで放送されたドラマ、観たかったです。
後半が落ちるという評価は同じですが、必ずしも退屈という感じでもなかったですかね。
マリーはルソーの「自然に帰れ」を実践する当たりなかなか見どころのある人でもありますが、その一方で庶民に対し余りにも当事者意識がないので、本作では端折られた人生の幕切れを迎えることになるのでしょうね。
もしあのままの人生であったのなら、彼女はやはり生まれついての浪費家だったという風にしか理解できません。作品として物足りない所以。
後半はいい加減にしかみてないので、適当に書いてしまいました。^^