
鍋料理のあとなどに、一度炊いたご飯を加えて煮るのは「雑炊」です。(おいらが好きなおじやです。)
「おかゆ」は、一度炊いたご飯を煮るのではなく、水を多めにして米から炊き上げるのが基本なんですよ。ちなみに、米粒がふっくらと軟らかい米1:水5の割合で炊いたものを「全がゆ」と呼びます。 米1:水7で炊いた「七分がゆ」は、器に盛ったときに米粒だけでなく水分がしっかり残っている状態です。 さらに水分が多く残るのが、米1:水10で炊いた「五分がゆ」です。
米から炊くという作り方は、「リゾット」とも似ていますが、リゾットは生米を洗わずにいため、スープを加えてアルデンテ(わずかに芯が残る状態)に炊き上げるところが、おかゆとは違いますね。
おかゆの魅力は、何といっても消化吸収がよいことです。
本来、穀類は決して消化吸収のよい食物ではないようです。おかゆは、米をできるだけ軟らかく炊くことで、普通に炊くよりも消化を吸収しやすくしているといえます。同時に、貴重な米を少し使うだけでも満腹になるように、先人たちが工夫した調理法でもあるようですね。
日本のおかゆは、具を何も加えずに水で炊く「白がゆ」に、さまざまな薬味を添えていただくというのが基本ですが、野菜や豆類、木の実やきのこ、魚や肉を加えて炊くおかゆもあります。「七草がゆ」もその1つといえるでしょうね。消化吸収のよいおかゆに、さまざまな食材を加えることで栄養を豊かにして、体力の落ちた体に効率的にエネルギーを補うことができます。
おかゆに加える食材によって、期待できる健康効果もさまざまのようです。例えば、ねぎやしょうがなどを加えて炊き上げたおかゆは、風邪のひき始めや風邪予防に効果的だといわれます。
春菊、せり、大葉(しそ)など香りのある青菜を加えたおかゆには、胃腸の働きを整える効果があるそうです。
ほかにも、日ごろの体力アップには豆類、鶏肉などを加えたおかゆ、美肌には大麦やはと麦、ごまなどを加えたおかゆ、ダイエットには玄米や雑穀などを加えたおかゆと、今や「白がゆ」だけでなく、おかゆのバリエーションもいろいろありますね。
「おかゆは病人食」という固定観念を持ってる人は多いかもしれませんが、最近では、その消化吸収のよさと、栄養プラス効果が注目されて、日常的におかゆを食べる習慣も広がってきているようです。特に、朝食としていただくおかゆは、一日のスタートを切るために必要なエネルギーをすばやく体内に吸収できることから、人気が高まっているのだとか。
中国や韓国では、朝、専門店でおかゆを食べてから出勤する光景は珍しくないようですが、日本でも首都圏を中心に、駅の構内や駅ビルなどにおかゆ専門店が出店するようになって、通勤途中のビジネスマンやOLが、そこでおかゆの朝食をとるシーンが見られるようになってきました。
鶏ガラスープなどで米を炊く「中華がゆ」をベースにしたお店が多いようですが、シンプルな「白がゆ」に好みの食材をプラスできたり、米ではなく玄米のおかゆがあったり、さまざまなタイプのおかゆがいただける専門店もあります。 新しい年になり正月気分も終わり、日常が動き始めているのに、「どうも体調がいまいち…」「このところずっと風邪気味で…」という方は、おかゆの食事を取り入れてみてはいかがでしょうか?
旬の野菜などを加えて、とろとろに炊き上げた熱々のおかゆを食べることで、元気を取り戻せるかもしれませんよ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます