短歌 早春

・渡り鳥クレッシェンドに形変え啼き交わしつつ北空目指し

・雪代の轟々たるや水嵩の川広くなり鴨引き連れて

・水仙の黄色き花咲く四月なり妻の時間はゆるゆる流れ

・ようやくに二けた示す温度計古都弘前の桜まだまだ

・病院の窓辺で見たり桜花義父はこの後七月に逝き

・香り立つ味噌汁に浮く蕗の薹三人家族に見合う数摘む

・年老いて思い病めるはわが墓所遠き越後はあまりに遠し

・若き頃書字の力は強かりし年老いて今緩めし力

・年金の年齢になりこの春は日々の経費を計算し居る

・順番が大切だよとは年寄りの納得のゆく親死子死孫死

・雌求めぶるるぶるると羽振音春の訪れ山鳥の雄

短歌 早春

・早春の日差しは徐々に強まりぬ雪は消えゆく不安は残る

・軽やかな初冬の老後を夢見たり不意に暗澹今更奈落

・年老いて緊張解きしアスリートリタイヤの後復帰難し

・鳥葬のチベットの民死して尚輪廻転生人身御供か

・ストーブはサーモスタットに委ね居り明示の数字室温の差よ

・わが友は長き闇抜け今まさに桜の花とともに開花す

・ダフニスとクロエの歌劇我もまた幼き頃の淡き幻

農業委員会へ

4月5日（水）晴れ

　昨日は町会の農業委員　M氏に依頼の「農地→宅地」手続き方法を訪ねていたことから、電話があった。
結局農業委員会に出向き、詳細を担当者に話した。結果、変更目的と市街化調整区域の確認のために
本庁建設課指導係に行き、確認してからの話となった。

　「障害者のグループホーム（共同生活援助）整備事業」の計画書を今後まとめ上げる必要がある。
時間はそんなにかからないらしい。計画は3年後なので、整備推進委員会を立ち上げてからのことになる。

相変わらず役場というところは、なんだか落ち着かない場所である。

汗をかこう

汗をかこう
ようやくきょう
そう思い始めた
冬の衣を脱ぎ
作業着に着替え
長靴とタオルをもって
畑に出よう
人間が人間らしい姿
クワを持ち
大地と野菜作りの
交渉をしよう
本当に冬の間
身体を動かすこともなく
怠惰に酒を飲み
時折は
屋根の雪下ろしはしたが
それとて
たまの仕事だから
あっという間に
太ってしまった
気持ちの問題なんだろう
下ばかり向いて
空を見上げることもなかった
さあ汗をかこう
畑の小鳥たちの声を聴こう
風を頬に感じよう
時々は
アサヅキを口に含んで
刺激しよう
もうまさしく
春なのだから

短歌

・チルシスとアマントという風変わりゆやゆよーんという中也の調子は

・四肢麻痺の吾子背負いたる六十五今日一日の無事を喜ぶ

・何事も言い回しにて世は動く相手の気持ち推量あれば