特定技能1号と留学生

特定技能1号と留学生

昨日のブログ記事「与党トップレベルの議員さんの訪問を受けて」には、最近の日本語学校業界の苦衷の様子を、縷々記述しました。

そこで、本当に驚いたことは、政府が、➀国内に既に在住して勉学中の留学生、又は②既に帰国済みの元・技能実習生ないしは③現在勤務中の技能実習生を対象に、特定技能1号Visaの取得者35万人を想定していたという事実です。

しかし、そういうような趣旨の説明は事前にはほとんどなく、実際海外の青年や仲介業者たちも、全員が、海外現地で行われる特定技能1号取得のための軽いレベルの試験に合格すれば、直接的に国内の企業に採用してもらえると思いこんでいます。

この間の大きな食い違いが、日本語学校への迂回ルートを辿らないで、直接ルートで国内企業に、従前よりも、より有利な待遇条件等で就業できるチャンスが到来したという誤解を生み、その誤解が海外現地で蔓延したために、今日、日本語学校での生徒募集における困難が生じていると考えられます。

そこで、留学生を確保する道は、特別に魅力的な高度技能が身に着く専門学校か、日本でもトップレベルのわずかな数の大学への進学が可能なコースをもつ日本語学校に限られてきている傾向が見られます。

そして、もう一つのルートは、海外現地に前線基地ないしはサテライト校を設置して、そこで獲得した生徒たちを、日本に連れてくる手法に絞られてきます。

以上のような大きな変動を迅速かつ的確に捉え、対応策をしっかりと取ってゆくことが、日本語学校の生き残りの有効な作戦になるでしょう。

日本政府からの支援の手を待っていたり、頼っていては生き延びられません。

正に、福沢諭吉の言葉のように、「天は自ら助くる者を助く」であって、自力本願的な生き方を選択するしかありませんね。

令和1年7月13日
CJA日本語学校：岡村寛三郎
協同組合クラブ・メデカルツーリズム・ジャパン