神楽

暇人です、文字ウチ書き間違え多、読み返すと内容変わるから読み返さない、読み方は皆様に甘えさせて頂きます。

虹を渡る少年

2017-12-25 23:46:04 | 短長編小説
お話し始めますよ

ある小さな村の孤児院にその少年がいる

少年は産まれて1ヶ月位の時に

虹色のショールにくるまれて置き去りにされていた  


一歳位の時に孤児院の先生が少年の異変に気付く

少年は足を動かさない

町医者に見せると

どうやら少年の足は産まれつき麻痺しているようだった

治療方も無く少年は一生歩け無いと診断された


あれから12年の月日が流れた

少年の足は針金の様に細く

産まれた時のまま動かす事ができない

今も孤児院で車椅子生活をしている 


少年はこの田舎の孤児院の窓から見る自然が好き

車椅子と言う障害が有るが気にしない

絵を描くのが好きなおとなしい子


自然溢れる四季折々の景色が描かれたスケッチブック

少年のお気に入りは遠くの山に虹が掛かった時の絵


少年の絵はなぜか全てモノトーンだった


そんな絵の中でただひとつ

虹だけは色を入れていた


孤児院の先生も少年の虹の絵を見て 不思議に思った虹の色


少年は何枚も虹の絵を書きためていた


次の日も又次の日も・・・書き続けていた


ある日先生が少年に聞いた

何故虹の絵ばかり描くの?


少年は少し戸惑いながら先生に答える

僕はあそこから

あの虹から産まれたの


先生は首をかしげる?


少年は話を続けた

僕はもうすぐ虹を渡り

あそこへ帰るから

僕が帰る道順を書きためている


先生には何の事か解らず・・・?


そう話し

口を閉ざした少年を見ていた


少年はその後も虹の絵を書き続けた 


虹の絵について話していた意味を先生達が知ったのは
それから半年後の事だった


少年はその朝・・・目を覚まさなかった

少年は知っていた
自分が病気だと言う事

少年は自分の身体に宿った病を誰にも知らせず

ひとりで空を目指していた

痛みも苦しみも
全て自分ひとりで抱え

空を目指した

先生達がそれに気付いたのは
少年が書き残した
沢山の虹の絵

少年は絵の中に
自分の姿を描いていた

先生達がソレを見たのは初めの絵だけ

絵を順番に見て初めて気付いた

その虹の絵の中で
少年が少しづつ虹に近づく様子が見えた

最後の一枚

少年が虹を渡る様子が描かれていた

少年は虹の向こうから来た だから虹の向こうへ帰る

虹色のショールにくるまり 孤児院に来た少年は

来た時と同じ虹の橋を渡り

多くを語らずひとりで帰って行った

・・・・・・・〆

ではまたね~~~メリークリスマス