週末の東北地方は、梅雨前線から切り離された低気圧の影響で、北部を中心にまとまった雨になりました
(天気図は気象庁ホームページより)
各地の72時間降水量(7月12日24時現在)は、
青森県三戸町 159.0mm
秋田県鹿角市 187.5mm
岩手県洋野町種市 180.0mm
と、150mmを超える雨量となったところもありました。
これらの地点の7月の降水量の平年値はおおよそ150mm~180mmですので、3日間で1か月分に相当する雨が降ったことになります。
ところで、皆さんは150mmの雨と言われて、どれぐらいの雨量なのか実感ができるでしょうか?
150mmの雨ということは、洗面器みたいなものを地面に置いて雨を貯めたら15cmの深さの水が貯まることを意味します。
なんかこれだと大したことがないように思うかもしれませんが、雨は洗面器の上でだけ降っているわけではありませんので、例えば町全体が15cmの深さの水に覆われたと考えると、どうでしょうか?
例として、青森県三戸町全体に150mmの雨が降ったとして水の量を計算すると、三戸町の面積が151.79k㎡ですので、
150mm×151.79k㎡=0.15m×151.79×1,000m×1,000m=22,768,500㎥
となります。
これだと少しイメージしずらいので、よくある東京ドーム何杯分かで計算すると、東京ドーム約18杯分の水の量になります。(これでもちょっと分かりづらいですが・・・)
さらに範囲を広げ、青森県全域で150mmの雨が降ったとして水の量を計算すると、青森県の面積が9,645.65k㎡ですので、
150mm×9,645.65k㎡=0.15m×9,645.65×1,000m×1,000m=1,446,847,000㎥
という膨大な量となります。
ちなみにこの量は、福島県にある猪苗代湖(日本で4番目に大きい湖)の水の量のおよそ37%に相当する量です。言い換えると、空っぽの猪苗代湖に注ぐと3分の1以上水が貯まるということです。
青森県に加えて秋田県・岩手県の全域でも同じ量の雨が降ったとしたら、空っぽだった猪苗代湖が満杯になり、溢れてしまうほどの水の量になることでしょう。
逆に、ゲリラ豪雨の様に局地的な雨であれば、水の総量としてはそれほど多くはなりません。
つまり、梅雨前線や低気圧、台風などによる大雨の恐ろしさは、広範囲に大量の雨が降ることで膨大な水量となり、中小河川だけではなく、県をまたいで流れるような大河川の氾濫や同時多発的な土砂崩れが起こる危険性が高まるところにあります。
この先もしばらくは雨の季節が続きますので、今後も気象庁が発表する気象情報に注意した方がよさそうです。