初めてこの本を手にしたのは15年以上も前。
書店の新刊コーナーでタイトルが目に止まり、最初のページを開く
『あの人があなたを苦しめているのではなく
あなたがあなたを苦しめているのです』
この最初のフレーズが気になり、それからパラパラとページをめくって、購入を決める
実は再々読です。
「もし神様がさ、人生のどこかに戻してあげるって言ったら、どこに戻りたい?」
イベントの打ち上げにみんなで食事をしていたある晩のこと、1人の青年が突然大きな声で尋ねました。
青年はいつの頃に戻りたいか、真顔で尋ねるのに、皆は「母ちゃんのお腹の中」とか、「ダービーで当てた日」と叫び、だれ1人として真面目に答えようとはせず、彼を困らせていました。
多くの人たちはふざけて答えてる中、青年は、今度はこう質問するのです。
「じゃあ忘れられない人とかいるでしょ?初恋の時代に戻りたいとか、皆さん無いんですか?」
この青年の一言に、著者の井形さんは、過去の終わった恋を振り返るのでした。
初めて読んだ時は、自分の恋愛経験を思い出し、胸がキュンとなったのですが、再読した時は10年ぶりと言うこともあり、内容をほとんど忘れていて、新鮮な気持ちで読みました。
そして再再読となる今回は、井形さんは本当にフラれたのか?とモヤモヤとした気分です。
なぜなら恋人は、「別れよう」とも、「さようなら」とも言っていない。
「今の状況をわかってほしい」と、言って、井形さんの前から去っただけで、最後の言葉を井形さんに伝えてないと思ったからです。
そのせいか、最後の別れのシーンを行ったり来たりで、先に進ことができず、井形さんは、自分はフラれたのだと思い込んでいるのでは無いかとさえ思いました。
もし男性が口にした「今の状況をわかってほしい」が、別れの言葉だったとしたら、この男性はずるい。
別れの言葉をハッキリと口にしていれば、井形さんはここまでズルズルと引き摺らずに済んだのでは無いでしょうか?