道の駅で教えていただいた道を
車で10分ほど走ると
「EDOMAE 悟」
という看板が目に入りました
「江戸前」じゃなく
ローマ字だったんだ。。。
一見
何のお店かわからないような
教えてもらわなければ
見過ごしてしまうほどの
小さなお店でした
寡黙な板前さんと
どちらかというと
素人っぽい感じの女性の店員さんが二人
他に
お客は誰もいませんでした
真菰のお料理がいただけると聞いて
来たんですけど。。。
真菰を練り込んだ麺と
真菰を使ったデザートがついた
セットを注文しました
真ん中の麺に
真菰が練り込んであるそうです
真菰のデザート
「実は真菰のことが知りたくて
菰野に来たんです」
というと
「真菰 見たこと無いの?」
と言って
板前さんが
奥の方へ入っていきました
私は板前さんの後ろ姿に
思わず
「あのう・・
模型は見たことあるんですけど!」
ところが
板前さんが持ってきたのは
プラスチックの模型ではなく
ラップに包まれた
冷凍の
本物の!
真菰でした!!
またもや感激した私は
思わず
「これ写真にとっていいですか!?」
すると
板前さんが
「持って帰っていいよ!」
「ええっ!?か..買います!」
「いいから持って帰って」
なんと
本当に真菰を3つもいただくことに
なりました
よくよく話を聞くと
この板前さんは45歳
10代のころより
親父さんのもとで寿司の握り方を教わり
その後あちこちで修業し
ホテルで仕事を任されるようになり
ようやく3年ほど前に独立して
この店をオープンしたそうです
ところが
去年の夏に股関節を痛めて手術し
4ヶ月も店を閉めることになり
そのためにせっかく仕入れた真菰を
使うことができず
やむを得ず冷凍していたというのです
思いがけないプレゼントに
驚きましたが
このご厚意をありがたく頂くことにしました
薄緑の葉をむいて
中の白い所を食べるのだそうです
収穫したてであれば
生でも食べられるそうですが
冷凍しているので
キンピラのようにして
食べたらよいと教えてくれました
板前さんは
このお店を出したことで満足せず
将来はもっと山の上の
夜景の美しい場所に
理想のお店を持つ夢があるんだと
お話して下さいました
そのお店ができたら
また来たいなあと思いました
帰り際に頂いた名刺を見ると・・・↓
あれっ?
「EDOMAE 悟」なのに
名前は悟さんじゃないんですね
すると
「悟は親父の名前なんです
親父に寿司の握り方を教えてもらって・・・
親父のお陰で今の自分があるんで
親父に敬意を表して店の名前にしたんです」
感動しました
そういえば
今作っている
お茶室の設計をお願いした先生も
事務所の名前に
お父様の名前の字を入れていらっしゃることを
ふと思い出しました
「必ずまた来ます
頑張ってくださいね!」と
「EDOMAE 悟」を後にしました
思いがけない
素敵な出会いでした。。。
ただ
真菰が実際にどこで栽培されているかは
板前さんにもわからないとのことでした
それだけが
ちょっと心残りではありましたが。。。
しかしこの出会いが
この後に出くわす
もう一つの偶然の出来事への伏線になるとは
思いもよりませんでした
→菰野道中記③