音信

小池純代の手帖から

十喩詩 5 しんきろう

2020-03-30 | 日記
空海「十喩詩」より

   五 詠乾闥婆城喩

  海中厳麗見城櫓 走馬行人南北東
  愚者乍観為有實 智人能識假而空
  天堂佛閣人間殿 似有還無與此同
  可咲嬰兒莫愛取 能観早住眞如宮



翻案四首

  しんきろう


うなばらに城はそびえてありにけり人ら行き交ひ馬走り去る

「ねえあれはほんたうのこと?」「あれはねえにせものなのよほんとの話」

すばらしくすてきなたてもの だつたかな 消えてしまへば面影もなし

いつまでもそこにゐないでさあ早くおいでなさいな此処はいいわよ

 

コメント    この記事についてブログを書く
« 十喩詩 4 かがみ | トップ | 十喩詩 6 ひびき »

日記」カテゴリの最新記事