音信

小池純代の手帖から

日毎の音 紙 201202

2020-12-02 | 日記

  紙


 万感と言へど思ひは一包み紙ばかりなる不祝儀袋


 遠ぞきてゆく大いなる実感や紙幣硬貨の宝物感


 雪の城とけたら水に紙の城燃えたら灰にではなくて火に


 蔡倫が失くせしものは紙に化け生きつづけなほ産みつづけたり


 本が飛ぶああ紙の鳥本が行くああ紙の舟みなひとり旅





コメント    この記事についてブログを書く
« 日毎の音 残 201201 | トップ | 日毎の音 寒 201203 »

日記」カテゴリの最新記事