音信

小池純代の手帖から

十喩詩 7 みづのつき

2020-04-11 | 日記
空海「十喩詩」より

   七 詠水月喩

  桂影團團寥廓飛 千河萬器各分暉
  法身寂寂大空住 諸趣衆生互入帰
  水中圓鏡是偽物 身上吾我亦復非
  如如不動為人説 兼著如来大悲衣



翻案四首

  みづのつき


月が飛ぶ星の数ほど月が飛ぶ人の数だけ光がこぼる

月来たりこころの器満たすまでひとつひとつに光を注ぐ

掬へずよ水面に映る月影もわが身に宿るわれなるものも

おほぞらに包まれてをり大いなるこころの衣もて抱かれをり




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