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読書の森

マンジュシャカ

ブロ友さんのブログ拝見すると艶やかな「彼岸花」の写真が目立ちます。

お彼岸近く、季節の花というだけでなく魅力的な花ですよね。
先日ちらりと触れたこの花のお話、又したくなりました。

山口百恵さん全盛の頃、歌われた曼珠沙華(マンジュシャカ)という歌、あの歌大好きです。

阿木耀子作詞、宇崎竜童作曲、カッコイイ
ご夫婦で作ったこの歌、迫力のある妖しい魅力です。

「涙にならない 悲しみのある事を
 知ったのは ついこの頃
 形にならない しあわせが何故かしら
 重いのも そうこの頃
(中略)
曼珠沙華、恋する女は、
曼珠沙華、罪作り」

遠い日のときめきが蘇ったりして。



彼岸花の由来はお彼岸近くに咲くからですが、曼珠沙華(マンジュシャゲ)と呼ぶ意味は天に咲く赤い花だからだそうです。
根が毒を持つ事は知られてますが、実は水に晒して毒抜きした根は飢饉の時大切な食料となるそうですよ。
毒が水溶性だからですが、どこまで毒抜きするかは不明です。昔の人が食用にしたという事ですが。



曼珠沙華は紅い花のイメージがありますが白い種類もあります。
白いものはリコリスとも呼ばれてます。

別名は多いけど、私は「葉みず花みず」の名に惹かれます(つい最近知りました)。
花と葉が同時に見られないのでつけられた名称です。
面白いですね。


野に咲くのがお似合いの曼珠沙華。
私が生まれて初めて見た時、「なんて綺麗な花だろう」と驚いた事を思い出します。
戦後間もない昭和20年代のことです。

その頃は自然がたっぷりだからさぞかし美しい花が咲き乱れていた事だろうと、知らない方は思われるでしょう。
ところが、都市部(特に下町の工場近く)は焼け野原が多く、桜の木さえも切り倒され(空襲の時延焼するのを避け)燃え尽きて、生えているのは野草ばかりです。
埃っぽい地面に粗末なにわか仕立ての住居が立ち並んで、色がない時代でした。
綺麗に整備され、公園や庭に花が咲き乱れる光景は昭和30年代後半から見られたのです。
なので、焼け野だった原っぱに咲く真っ赤な曼珠沙華は、奇跡のように美しく見えたのでした(随分おばあさんみたいですね)。


読んでいただき心から感謝いたします。

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