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読書の森

宮本輝『避暑地の猫』

その昔(になりましたが)1988年9月の夜から、私がワクワクして観てたTVドラマが『避暑地の猫』でした。

まず、出演者が素敵でした。
嫋やかな美女髙橋恵子、ちょっと影のあるのがいい永島敏行、渋い魅力の平幹二朗、みんな若かった。

舞台が昔の軽井沢の豪壮な別荘の地下室、別荘番の息子の屈折した感情が生んだ悲劇のミステリーでした。
人間の心の魔性を描く甘く美しいドラマとかの謳い文句ですが、かなり心の闇が怖いドラマでした。

善良が故に生まれる悲劇を描いてる筈の宮本輝にしては珍しい作品です。
ただ私の記憶の中には、物語の本筋よりも
昭和の終わりの退廃感が漂う時代、美しい軽井沢の自然と出演者や舞台装置の豪華さが強く残っておりました。

懐かしく本を読み出すと、こんな深刻なドラマだったのか、とビックリした部分があります。
完全犯罪を為した犯人も殺された被害者も、とても愛情に傷ついた哀しみを抱えていました。

宮本輝らしいと言えば、登場人物全てがあまりにも自分に正直過ぎるのですね、それが悲劇を生んだのです。

舞台となる昭和30、40年代の軽井沢は、それは別世界の様なしんとした森に囲まれた別荘地でした。
昭和34年に私はキリスト教の学校の修養会で軽井沢を訪れた事がありました。
嘘みたいに静かで涼しくて、緑に囲まれた場所でした。

森に囲まれた神秘的な別荘に住むセレブの人たちのイメージが、本来の犯罪劇の闇を隠していたのかも知れませんね。



さて、本日パンが切れてましたので、パン粉にする為残して食パンの耳を使ってパンプディング(?)を作りました。


この容器はシリコンスチーマーで、これに材料を入れて電子レンジで簡単に調理出来ます。

食パンの耳を細かに切って、卵、牛乳、砂糖を混ぜたものに浸しておきます。
柔らかくなったら、レンジで2分半程温めます。

何となく、パンプディングを食べてる気になれました( ◠‿◠ )

読んでいただきありがとうございました。

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