東京ローズ

世界中殆ど何処の国でも諜報機関がある事を、今の世の若者はご存知でしょうか？

諜報とはスパイ活動の事。非合法な手段で敵国(と見做される国も含む)の情報を蒐集してそれを味方に伝える事です。

古いTV番組ですが、『隠密剣士』や『007』にワクワクされた方、あれが諜報活動ですね。

ただし現代における諜報活動はネット通報が入りますので、ダイナミックさや派手さに欠けるものの、もっと確実かつ残酷な手口があるやも知れません。

敵国人民に謀略目的の情報を広める事、これも諜報活動の一つと言えます。

「東京ローズ」とは、第二次世界大戦中に米軍人を対象に日本が流した短波放送のアナウンサーの総称です。

つまり麗しきアメリカ人2世、セクシーな声で兵士の戦闘意欲を萎えさせる妖しき女性たちはスパイでありました。

突撃寸前の刹那を狙って流すから頭脳的です。これが当時のNHK 海外局の班長、満潮氏です。実は彼はサンフランシスコ生まれでアメリカの一流大学を出たアメリカ国籍を持った人。ただし由緒正しい日本人の両親を持ってた。これに目をつけた日本外務省がNHK勤務を命じ日本女性との結婚と同時に日本国籍を取らせた訳です。こうすれば祖国(この場合アメリカ)を裏切ったと言う形にならずに済みますし。

彼はとっても明るい人遣いの上手な人だったそうですが、この放送を命じる心中はどんなものだったのでしょうね。

一方、この時期アメリカも日本の人民に宣伝ビラを空から投下してます。

貧しくて食べる物もなく、統制がキツく疲弊し切ってる人々の気持ちを惹いて厭戦気分を盛り上げようとする意図です。

空襲予告ビラ(デタラメじゃなくその後空襲は実際にあった)も撒いてる。

「嘘じゃ無いから。早く降参しろよ」って事でしょうかね？

ところが真面目かつ忠実な日本国民はビラを拾うとすぐに警察に届けたのですね。

ただし、双方の国ともきっちり正確な情報を国民に伝えてないのです。騙された方が幸せだったのかも知れない(LineやTwitterでこのフレーズ流すと、いやblog でも怖いかも)

ちなみに戦後アメリカに残った東京ローズさんの中でスパイとしての刑に服した人はいます。

ここで「不当だ」と言えないのが戦争の怖いところです。

こと、各々の国の利害に関する偽情報は非常に巧妙であります。

争いを避けようとする人が、デマによって敵国の味方と言われかねない時代です。

卑近な話で誰かを悪者にして人々の悪口を集中させて、肝心な問題から目を逸らせさせるのは、大昔から情報操作でよく使う手です。

すぐに悪者を作る前に事の真偽を確かめるのが一番先かと、私は声を大にして訴えたいです。