大停電事故の損害賠償

　先日起こった東京の大停電事故ですが、東京電力はこの停電を引き起こしたクレーン船の運行会社に損害賠償を求めるという考えを示しているようです。

　実際、99年に自衛隊機が墜落して高圧送電線を切断した場合にも修理実費の他、停電による補償費用を自衛隊に請求した経緯があるということです。

　今回の場合は、影響範囲がとても大きいので切れた電線の修理実費はともかく、それ以外の停電による損害賠償を請求されてしまっては、この会社はとても払いきれないと考えられます。

　東京電力も、相手の支払能力を考えて請求することとは思いますが、それにしても請求される側からすれば一体どれだけの額になるかひやひやものです。

　このような場合のリスクの移転に有効なのが保険なのですが、もし運行会社が保険をかけていたとしてもこのような場合に保険金が支払われるかどうか問題になります。

　世の中で活動する際にはいろいろなことが起こります。そのすべてをあらかじめ予想して保険をかけておくことは不可能です。その意味で、リスク移転という対策はなかなかやっかいなものと言えるかも知れません。

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