米カード流出事件（続報）

　続々と新しい情報がはいるたびに、被害の状況があきらかになり、ユーザーの不安も増すばかりです。私にしても、無関係ではいられないので次回以降のクレジットカードの明細のチェックはいつも以上に慎重に行おうと思っています。

　そして、私が心配した通り、新聞報道によれば今回の事件に不安を頂いたカード会員の中には、カードの解約を検討したいと言い出す人が現れました。当然といえば当然ですが、このようなユーザが増えるとカード会社には命取りですし、クレジットカードそのものの存在意義が問われることになりかねません。

　こんなに簡単に悪用されるとあっては、大きな社会不安を引き起こすからです。今年に入ってからの日本では、偽札騒ぎが続いて起こりましたが、偽札以上に偽造カードを作るのが簡単で使用するのもリスクが少ないとなると、この騒ぎがおさまっても、類似の事件が果てしなく続くことが予想されます。

　根本的な対策はどうすればいいのでしょうか。もはや、私たちはこれ以上のカードの使用をあきらめるしかないのでしょうか。経済生活の基本である通貨が偽造のため信用を失い、それに代わるクレジットカードもこのていたらくとなれば、われわれに残された道はなんでしょうか。

　電子マネーがバラ色の未来を約束してくれるでしょうか？私には、本質的には何もかわらないと思います。ひどく悲観的な結末ですが、真実だと思います。この大きな問題を乗りきるのは、個々の技術的な問題ではなくもっと人間社会に対する深い考察に基づく、総合的な対策なのです。