韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

米カード流出事件

2005-08-05 18:17:06 | 情報セキュリティ
 この週末、米カード情報処理会社「カードシステムズ・ソリューションズ」のコンピューターネットワークに外部から不法にアクセスした形跡があり、データが盗まれた疑いがある、という報道がなされ、その流出データの件数が4000万人と聞き、驚きを隠すことが出来ませんでした。

 また、その流出したデータを不正利用された件数が、少なくとも6万8千枚という続報にもっと驚いてしまいました。

 そして、驚きは続くもので、この事件が起こってから発覚してFBIに通報するまでになんと半年もかかったというのですから。

 この報道を耳にしてあらためて思ったことは、この種の事件を完全に防ぐことはできないということと、守るべき情報の種類によっては世界的規模の視点での対策を講じなければならないということでした。

 日本で発行されたクレジットカードでも、たいていの場合、ビザかマスターカードとして世界中で使用できるという利便性が、セキュリティ上の不安を世界的な規模で増幅させる結果となってしまいました。実際、海外で使用して今回の被害に遭っている日本人も、ある国内のカード会社分だけでも、6500人と報道されています。

 これまでもネット上でのクレジットカードの使用についてはその危険性が指摘され、慎重論を強調する人々はネット上どころか、クレジットカードそのものをリアルな世界であっても使用しないと主張するようになっていました。今回の一件は、ネットとリアルな世界両方にまたがる問題であるだけに、より一層深刻です。

 これでは、ネットワークセキュリティの究極の形はコンピュータをネットワークに接続しないことであると言われるのと同様、クレジットカード悪用の被害を防ぐためには使用しないどころか、カード会員を退会するしかないということになってしまいます。

 結局、現実の世界とのトレードオフの問題となってしまうのですが、われわれはその落としどころをどこに求めればよいのでしょうか。普段、オンラインショッピングのみならずリアルな世界でもクレジットカードの利便性を享受している私としては、また新たな課題をつきつけられることになり、悩みが一つ増えることになってしまいました。


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