本来、届くはずだったのは、フリルのような形のクリームで飾られたクリスマスケーキ。ところが、一部の購入者には、ぐちゃぐちゃに崩れた状態で届き、販売した百貨店「高島屋」が謝罪する事態となりました。ケーキを監修したシェフは“配送に向けて何度も試したのに…”と困惑しているのですが、いったい何があったのでしょうか。
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“特別な日”に届いたのは、形が崩れ、イチゴが飛び散ったクリスマスケーキです。X(旧Twitter)には、「悲しみを通り越して笑うしかない」との投稿もありました。また、私たちに提供された写真では、箱の上部にはくっついたあとがくっきりと残っていました。
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横浜のフレンチレストランを訪ねると、電話が鳴り響いていました。
ケーキを監修したシェフ
「はいもしもし、ケーキを買っていただいたお客様でしょうか? 大変申し訳ありません。やっぱり崩れていましたか? 高島屋の方で窓口が1つになってまして、対応しております。誠に申し訳ありません」
電話口で何度も謝罪を繰り返していたのは、“高島屋のクリスマスケーキ”を監修したオーナーシェフです。
ケーキを監修したシェフ
「僕は逃げも隠れもしないし、心を込めて作ったのにああいうぐちゃぐちゃの形は、工場もつらいし高島屋もつらいし僕もつらいので、そこは(原因を)一生懸命調べている」
本来、届くはずだったのは、フリル状の生クリームがあしらわれたケーキです。(<レ・サンス>ストロベリーフリルショートケーキ 税込み5400円)
横浜のフレンチレストランのオーナーが監修し、埼玉・羽生市の菓子メーカーで製造。大手百貨店、高島屋がオンラインストアで税込み5400円で販売しました。
約2900個を受注し、クリスマスイブ前日の23日から冷凍状態でヤマト運輸が配送したといいますが、その一部が崩れた状態で届けられていたことが明らかになりました。約900件もの苦情や問い合わせが寄せられる事態となっているのです。
ケーキが届いた人に話を聞きました。
崩れたケーキが届いた人
「ケーキをひっくり返したかのような(箱の中)全体にも生クリームが飛び散っているような状態でした。ショックで言葉が出なかったです。クリスマスにケーキを捨てるようなことになったのが心が痛い」
別の男性もケーキの写真を見せてくれました。
――形…ケーキじゃない
崩れたケーキが届いた人
「フタ開けたときにこの状態で入っていて…正直、泣き寝入りしかないのかなっていう状態でした。作る過程で問題があったのか、配送の方で問題があったのか」
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気になるのは、いつ、どの過程でケーキが崩れたのかです。
ケーキを監修したシェフは、次のように話しています。
ケーキを監修したシェフ
「なんで、やっぱり今もなんで、ああいうふうになっちゃったのか。悔しいだけしか。だって楽しみにしてますから、その笑顔が見たくて作ったもの」
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「配送の問題、崩れないようにできるか全部実験でやっていた。僕が実験で見ている以上では、上から落とさないとああいうふうにはならない」
5年前に同じケーキを発売して以降、崩れるなどの苦情はなかったといいます。
ケーキを監修したシェフ
「工場もショックで…」
取材中も電話が鳴りました。
ケーキを監修したシェフ
「はいありがとうございます、レ・サンスでございます」
「ちょっとこういうイタ電もある。ガチャンってきられて」
――営業に支障?
ケーキを監修したシェフ
「本当にしんどいです」
埼玉県にある菓子製造会社を訪ねました。
――製造会社がここだと聞いた
菓子製造会社 担当者
「間違いなくうちです」
ケーキを製造したとはっきり認めました。
――製造会社として今回の事態をどう受け止めている?
菓子製造会社 担当者
「今、全部高島屋さんが事情を知っていますので。まだ原因も何もわかってませんので、何も答えられません。うちでは一切答えられません。なぜか、原因がわからないからです」
原因がわからないと繰り返しました。
配送を請け負ったヤマト運輸も、私たちの取材に「調査中」と回答しました。
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高島屋はお詫びを発表しました。
高島屋HPより
「本件につきましては、弊社よりお客様へ順次ご連絡させていただき、お詫び申しあげるとともにお届けした際の商品の状態をお尋ねさせていただきたく存じます」
返金や再配達を希望する客のもとへ手渡しでケーキを渡すなどの対応を行っていて、原因の調査を進めています。
1年に一度のクリスマスに起きた“崩れたケーキ騒動”。その原因についてある物流会社の関係者によると、一般的にケーキの輸送は難しく、梱包や温度管理を特に慎重に行うといいます。また、冷凍用の車が足りなくなったり、経験のない人が運んだりした場合も崩れる可能性があるとしています。
(12月25日放送『news zero』より)