カンナからの風
4月2日にカンナリゾートヴィラで行われた東日本支援チャリティーコンサートは、県内のオペラ歌手テノール歌手の具志さん、ソプラノ歌手糸数さん、ピアノ運天さんの演奏で開幕。
アベマリアから始まった荘厳な雰囲気が徐々に会場内に溶け始めて80名のお客様の心に沁み入るような祈りから・・サンタ・ルチアやオーソレミヨと曲が移って行くうちに沖縄の春の陽射しが会場内に差し込み始めた。最後の「君と旅たとう」のデュエットは、映画アマルフィーに使われたあの名曲だった。
目の前でこの曲が歌われた時には全身に鳥肌がたってどうしもないほどの感動を受けた。
まるで、未来への光が人々の頭上に輝き始めたよう。
歌は、人々の耳に届く前に心に届くんだと・・歌の持つ力を改めて知った。
このとき、ホテルとは一体なんだろうと思えた・・・。
宿泊のための施設というだけではなく、人々の心の奥に宿る幸福感をサービスや食事や環境と言うアイテムによって大きく増幅させてくれると言う役割を果たしているように思えた。
ホテルの仕事は、いつもお客様を待ち続けている・・・でも、ホテルと言うものがもう少し人々のライフスタイルに近づいて、普段、心の奥にしまいこんでいる小さな幸福感を大きく増幅する事ができるのではないのかな・・・と。
カンナリゾートは、宣伝を積極的に行わない東海岸の小さな村にある1軒の宿。
周りは、サトウキビ畑、マンゴー畑に囲まれている。こんな無名に近いホテルから人々の幸福感を生み出す事ができらたホテルマンとして最高の満足だと感じる。
今日と言う日が暮れて行く・・・ホテルが夜の顔になっていく。でも、このホテルにはまばゆいばかりの照明や華やかさはない。人々のくつろぎや歓びを小さな袋に詰めるように静かに時間が流れていく。