
一人で出て行くようになりました。
紙袋に服や靴を詰め込んで、両手に下げて出て行く姿が毎日のように続きました。
それが、1日に3~4回続きました。
出て行ってから、2時間ほどしてから、「ただいま帰ってきました」と、何事もなく
うれしそうな顔をして、帰ってくる態度に、ほっとするやら、腹立たしいやら、
なんとも言えない複雑な心境でした。


やがて、近所の人たちにもこのおかしな行動が、知られるようになり、
「○○さん、なんかおかしいわ、ボケてるんじゃない?」と言われ始めました。
その頃から、デイサービスの車のお迎えがくると、窓越しにのぞいたり、近くまで来たり、
時には、通りすぎる人が、ジロジロ見ていました。
当時はまだ、現在のようにデイサービスに、行く人たちが少なく、
施設?に預けられている。という印象が強く、年配の人が多い近所の人達には、
理解できなかったようです。


自分たち夫婦のどちらかが痴呆になっても、あんなところ(デイサービス)には、
行かないで、お互いで介護しようと、話しているんだと、言われました。
あんな所に行かせたら、可哀想やとも言われました。
あんな所とは、どんな所なんでしょうか、ひどい言い方ですよね。

一人で介護をしている私にとって、
母がデイサービスを利用することは、とても心強いもので、
私には、砂漠の中のオアシスです。
