(つづき) 富士見みずほ台郵便局の風景印、山は富士山です。
47都道府県のうち39位、面積約3,798㎢の埼玉県を白地図で見ると、地方自治体の宝庫という感じがします。日本最小の蕨市をはじめとし、小さなサイズの市町村がひしめき合う埼玉県にある「市」の数は40で、日本一です。その中に、富士見市とふじみ野市という、よく似た名前の自治体があります。
富士見市は、1956年すでに入間郡富士見村として存在し、1964年の町制施行を経て1972年に市になりました。
一方、ふじみ野市は新しく、2005年に上福岡市と入間郡大井町が合併して誕生しました。富士見市+上福岡市+大井町+三芳町での合併計画が成立しなくなり、その後上福岡市と大井町が合併してふじみ野市になりました。
こうして、現在の埼玉県には富士見市とふじみ野市の両方があります。
名前の似ている2つの市には、境界線の入り組んでいる場所があります。東武東上線は、富士見市の鶴瀬駅を出るとふじみ野市に入りますが、すぐ富士見市に戻り、その後ふじみ野駅に着きます。つまり、「ふじみ野駅」は富士見市にあります。
さらに、ふじみ野市には「ふじみ野」という地名がありますが、富士見市にも「ふじみ野東」や「ふじみ野西」という地名があります。東上線ふじみ野駅の住所は「埼玉県富士見市ふじみ野東1-26-1」です。東武鉄道のホームページを見ると、ふじみ野駅の駅名の由来は次のように書かれています。
「~ 鶴瀬・南畑・水谷の3ヵ村が合併した時に、3ヵ村のいずれから見ても眺望が素晴らしい霊峰「富士山」にちなんで、「富士見村」と命名。
首都圏の住宅地として人口が急増したことから、東武鉄道がまだ広い野原だったこの地を宅地造成しました。
いまも発展を続ける町にふさわしい駅名をと、市名と広い野原をあわせて命名されました。 ~」
富士見市にふじみ野駅が開業したのは1993年11月で、「ふじみ野市」ができるよりも前のことでした。
東武東上線ではほかにも、志木駅が新座市にあって志木市にはないという現象があります。
「ふじみ野駅西口郵便局」は、富士見市にあるふじみ野駅とは異なり、ふじみ野市に位置しています。 (つづく)