つねに、美しい年齢。

先日、姫路へ一泊の旅行に行き。
山の上にある隠れ家のようなホテルで、早朝の温泉に浸かっていました。
『SETRE highland villa HIMEJI』

貸切・・・
かと思いきや髪の白い女性が同じ時間帯にいらして、浴室の大きな窓から見える、山をぐんぐん越えてくる朝陽を一緒に眺めました。


←こちらが東側

「いいところねえ」
と彼女ににこやかに話しかけられ、しばらく湯船でおしゃべりしました。
とても肌のきれいな、背中のしゃんとした美しい人でした。
笑顔も凛としていて、話しているうち思わず「お綺麗ですねえ」というと、苦笑して
「もう79歳なのよ」
とおっしゃいましたが、見えない見えない！！
それでもいくつか[気をつけていること]を語ってくださいました。
この女性には、学ぶポイントがたくさんありました。

「やっぱり基本は食べ物ね。
私が高校を出たときにね、家庭科の先生が教えてくれたの。
脂質 １ : たんぱく質　１ : 炭水化物　４
の割合で食事をしなさいとね。
でもね、その数年後には、その割合が、１：２：３に変わったように聞いたわねえ。時代で食べ物が変わるから、その都度、内容を見極めていかないとね。」

なんて勘のいい人でしょう！！
「時代に応じた」環境を自ら選んでいるのです。
ここで、大切なポイントは、
この食事バランスの割合ではなく（専門家によるとこれは諸説あるようなので）、
いわれたことを理解したら、自ら実行していらっしゃるところです。

シンプル志向＆本質的であるところがさらに素晴らしい。
知識を「増やす」のでなく、「少なめで良いもの」だけを選ぼうとしているので、良いことだけを長く続けられる。
きっと、おうちもそんな感じにスッキリしているのではないかしら？
基本を知っていて新しい情報に溺れないので、常に足場がしっかりして、ぶれない。
「最適」をいつも意識して掴もうとしているフットワークの良さが、きっと彼女の若々しさの中心にあるのだと思います。

「なにか運動をしていらっしゃるのですか」
きれいに縦に流れる背の筋肉を見て思わず聞くと、
「いえいえ、毎日20分歩いているだけなのよ。食べ物も必要なだけ。そういえばエステも行ったことないわ。化粧品もこだわっていないし・・・（現に備えつけのものを使ってました←チラミしたわたし）」
つやつやのお肌、すらりとした姿、まっすぐな姿勢からはスポーツマンを連想したのですが！
おそらく、必要最小限の良質な栄養を賢明に選び取り、きびきびと、丁寧に暮らしていらっしゃるのでしょう。

ところが、面白い話を伺いました。

「うちの祖母は昨年90歳で亡くなりましたが、やっぱりとても元気でした。」
とふと思い出して話すと、

「あなた。90歳の世代の人は、良い体なのよ。戦争がまだ始まっていなかった時代の子どもだから、自然で良いものをたくさん食べて、交通が不便だったから、たくさん歩いたのよ。
でも、私たちの世代だと、戦争中に成長期を迎えているから食糧難で基礎に不安定なところがあるの。
だからほら、昨年から80歳前後の人が俳優さんでも続々亡くなっているでしょう。」
「！！」

説得力があります。そして新しい。
初めてそんなこと聞きました！


「そうそう、最近はね、紫外線に気をつけているわ。日傘を新調したし」
と嬉しそうに話を続ける彼女が、小さなことをきちんとコツコツ重ねているのを、わたしは知りました。
なんたって、お風呂から出る時、バスマットをひょいと自然によけていきました。（★水虫感染を避けるのに基本的な動作）
高校の先生から仕入れた、60年前の情報をきちんと覚えているし。
食べ物と運動についてなど、物事の因果関係について考え、実際の結果も出しているし。
紫外線についてなど、新しい情報もいいところどりしているし。
どれも特別ではありませんが、重要な注意どころですよね。

コツは、「こつこつ」。
美容のエキスパートがみんなこぞって言われることですが、美容に一発逆転はなし。
常に自分で「最適」を知る知性があれば、美しさを保つことができるのだと、この美しい女性からあらためて力強く学びました。



photo...ちなみに、このホテルの充実した図書館ではこんな本もあり。
右『美しい庭のように老いる』
とても面白かったです。
最近、「きれいな老い方」にとても関心があります。