Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

京舞について

2020-11-08 | Kyoto sneakers since 2008
能楽は、その動きを「舞う」といいます。
「踊る」とは、いいません。

日舞には五流派あり、「京舞井上流」だけが、「舞う」、
ほか四流派は「踊る」というそうです。

違いは何か?
舞う→回旋
踊る→上下動
と、一般的には区別するそうです。
それぞれの流派の、違いが思い浮かべやすいですね。

井上流の家元は、いわずと知れた人間国宝 井上八千代先生で、そのお父様は、観世流能楽師の片山幽雪先生。
ご主人も能楽師の先生。
よって京舞と能楽の間には、密接な繋がりがあります。

少し前の話になってしまいますが、
10月24日に、その井上八千代先生のお嬢さんで後継者の、井上安寿子さんのレクチャーを受けてまいりました。
京舞入門という、こちとら全くの素人には、大変ありがたいお話でした。


「和の道サロン」
私と息子がお世話になっている能楽師の先生のお稽古場で、定期的に、その道の第一人者をお招きしてわかりやすく「和の道」をレクチャーしていただくという企画。

すでに第4回を数え、毎回伺っていますが、盛り沢山!とにかく豊かな内容です。
先生のお人柄で、ゲストが素敵な方ばかり。

今回は…
冒頭、いきなり「黒髪」という貴重な舞から、お見せいただきました。
舞妓さんが芸妓さんになるときに舞う、ちょっと艶っぽいストーリーが唄になっています。
惚れた方を追いかける…、しかし振られてしまう、まだ追いかける、ほっぺをパシンと引っ叩かれてまた振られてしまう、フーンだ、もういいもんね!
という歌詞です。
なんだか酷いですね(^_^;)
しかし小股のキレ上がった舞とでもいうのでしょうか。小気味良い後味。

それから、改めてご挨拶なさって安寿子さん、
京舞と、井上流について、歴史を説明してくださいました。




初代の井上八千代さんの弟子が、2代目から現在に至る井上流を継いでいるということで、血筋ではなく、芸で後継者に繋いでいく。これが井上流の本質。と知り、
実際のところは血筋で受け継がれていらっしゃる訳ですが、厳しい修行に耐えられるのは、血のつながりがあってこそなのだろうと思いました。


分林道治先生は、井上八千代先生のお父様宅へ内弟子に入られたので、安寿子さんのことは赤ちゃんの頃からご存知。
お二人は和気藹々とした呼吸で、能楽と京舞の関係について比較してくださり、
ラストには同じテーマの舞を、京舞と仕舞で舞い比べてくださり、この距離感で、この贅沢さって!!!
と観客は感無量でした。

道治先生曰く、この御一家は藝を極めることにとにかく真剣なのだそうですが、
安寿子さんが、お母様の舞を評して、
「引き継いだものの重さもあり、かたい舞をする、と思っていました。
最近、歳を重ね、身体が思うように動かなくなってから、舞が変わり、力が抜けてきたように思います。
柔らかさが出てきて本来の彼女の舞がとてもいいと思っています」
とおっしゃっていたのが印象的でした。


次回『和の道サロン』開催は、2021年2月21日(日)10時〜
テーマはいよいよ「能楽」だそうです🎭🎎
お問い合わせは、090−4829−5345 小山様まで、お願いします。

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