Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

『羽衣』

2022-03-02 | musique... ongaku
お稽古というものは、大人になってからのものは、子供の時以上に大事だと常々思っています。
良い師匠について芸の極みを学ぶのは大人になってからでないと深さがわからない。少なくとも私には。

と、やりたいことを極める時間が持てることに感謝絶えませんが、お稽古のもう一つの効用は、自分が壁にぶつかることで子供に無理もまず言えなくなること☺️
何もないところへ学びを取り入れるのに人が最初どれだけ拙いか、拙さを克服するのがどれくらいしんどいか、身をもって分かりますから。。

なんてあらためていうのにも訳があって、今の謡のお稽古が「羽衣」に入り、これまた新しいことばかり!で、とっても難しくてまたまた泣きそうだからです。精神面で、謡の部分が筋肉痛です。
「観世流初心読本 中」巻の真ん中まできた訳ですが、



意図して歴代の能楽師たちがそれぞれ演目を作った訳ではないでしょうけれど、この並びが本当に良くできている。
「羽衣」では、「本ユリ」という新しい技術を学びました。
「経正」で悩んだ技術は一旦置いておき、こう新しい技を学ばせつつ、復習も巧みに織り込まれているので、気が付いたら、前苦労したところができるようになっていたりする。

「羽衣」で前より一層悩んでいるのは、西洋音楽の音階からの解放を促されているところです。
do re miではない、日本語ならではの音階
というものを求められているのですが、頭が合理性を求めて、do re miに全てを置き換えたいともがく。
ウキ(浮)
ハル(張)
クル音(繰)
という注意書きを見たらもう、蒼ざめる私。。
聴く分には本当に本当に美しいのですが、謡う側になると、冷や汗しかない難易度。

5月28日に発表会があり、シテを申し渡されました。嗚呼
それまでに私は天女になれるのかしら…、
先行きがあまりに見通し悪くて、先生の美しい声のお手本に、お稽古を忘れてただただ幸せに聴き入るばかりです。




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