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8月23日 木曜日、10時30分より、午前の部。
ロームシアター京都にて。
チャリティ公演ということで、この豪華な演目、豪華出演陣、
なのに破格のお値段、、
この内容ならば1万円くらい払ってもいい!とわたしは思いましたが、一律1500円でした。
という訳で、せっかくの機会、観能体験初めての方々を誘って、ぞろぞろ出かけてきました。
オランダ人リーファ、フランス人ニコラとルーシー、ドイツ人リサちゃん、多言語に通じるケイコさん、うちの息子。
時間も2時間、物珍しさでいらした初めての人々にも、無理のない設定だったと思います。
ロームシアターは、鏡板の松もシテ柱などもなく、ただ橋掛りのみあり、真っ黒な背景でした。
英語の通訳もつき、懇切丁寧な説明でした。
翁は神聖な演目なので未就学の子供は本来入場できませんが、息子は自分が仕舞いの稽古好きであるためお師匠様に許可を得て、
また実際たいへん喜んで観ていました。
・翁での火打ち石に、満面の笑み
・沢山の出演者に、「たくさん集まってきた…」と呟く素朴な感想
・我がお師匠様をいち早く舞台上に見つけて満面の笑み
・葵の上にて舞台上に広げられるきものに「ピクニック?あれレジャーシート?」周り失笑
・怨霊が投げつける扇をみて心を痛める
以前、鞍馬天狗を観たときも、所作からストーリーを汲み取ろうとしていたので、5歳の子供でも、観能に充分な素養があると思います。
翁は、舞台上にて面を付ける厳かな始まり。
筋書きは特にないが、神がそこに降りたような…不思議な胸騒ぎを感じさせる雰囲気に、目が離せません。舞はどことなくエキゾチックです。古来の大陸との繋がりを感じさせ、古来の人々もまたこの舞に酔いしれたことでしょう。
土筆、子供は初めての狂言体験。キャハー!と随所随所で喜び、日本語のリズムに大人も魅せられました。
葵の上は、なんといっても淑やかな六条が鬼に豹変して激しく舞う箇所です。鬼の面のせいばかりでない、気迫の演技に、子供も、怖い…と囁いてくるくらい。迫真の舞でした。
眠くなったら眠ってもいいんですよ、観世流の家元もそうおっしゃってますからと話しておいたけれど、皆、誰もが釘付けになる舞台でした。