ピアスが揺れる季節

陽の光が春めいてくると、鏡の中の自分の顔も、着替えてみたくなります。
それで、冬の間は外気を吸って冷えがキンキンと増しそうで付けなかった、大ぶりのピアスを付け始めました。

ピアスが好きで、フープピアスはことに大好きです。
多くの女性の定番だと思います。
誰がつけても、その人らしい柔らかさが演出できる、魔法のアイテム。

フランスの、住んでいた町のデパートで、初めてホワイトゴールドのフープピアスを買おうと意気込んでいた時のことを、いつも思い出します。
定番を愛するあの国の貴金属売り場には、シンプルながら、ありとあらゆる大きさと素材とかたちのフープピアスがあり、
たかがフープピアス、されどフープピアスで、
自分に適した大きさと色とを見つけるのに、店員さんのほうが熱心に、たいへんみっちり時間をかけて選んでくれたのでした。

「あなたにこの輪は大きすぎる、このゴールドはあなたにはきつすぎる。あなたに似合うのは楕円形よりまんまるね。つるんとした地のものより、唐草のように模様を描くものがいい」
と、いちいち横から見た様子や全身とのバランスを見てくれ、
なるほど、確かに、最終的に残ったフープピアスは、私の雰囲気をはっきりさせてくれました。
そして満場一致で購入。大満足。

以来片時も離さなかったそのピアスは、付け過ぎて、あるとき片方を失くしてしまったのですが、その片方は大事にとってあります。定番こそ、絶妙に自分と折り合うものを見つけることが大切なんだと、実感させてくれたから。
定番の奥深さを見極めていけば安定した自分スタイルが確立するので、無駄なモノ持ちにはなりにくい、という生活の知恵も。


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ジャンクながら、いいサイズのゴールド、雑貨やさんで購入。
黒いピアスも、ゴールドのと同じくジャンクですが、重宝しそう。
髪が今ちょうど黒なので、仕入れました^^
陽が射すと、頬に、模様の繊細な影ができるのが好きです。