心がガラガラと崩れていくときって、自分でも何でスイッチが入るかわからない。美しいものに触れても心がときめかなくなったら危険信号。気分は野生動物。癒えるまで存在に気付かれないようにじっと身を潜める。こんなときはまばゆい存在には触れられない。ひたすら共鳴するものを求めて心をさまよわせるだけ。
HYDEさんは、こんなときに背中を蹴って突き落としてくれたりする。蹴落とされて這いつくばってもがく私を、崖の上から涼やかな視線で見下ろして、「登ってこいよ」と言われているような気持ちになることがある。ガッツリと体重をかけて抱きついても引っ張り上げてくれるような包容力。それが、私にとってのHYDEさんの世界。
ラルクも、VAMPSも、HYDEも、人生だなと思う。夢も、希望も、挫折も、葛藤も、悲劇も、喜劇も、幸福も、絶望も、全てがそこにある。HYDEさんは知っている。その全てを通り抜けて歩んでいく、人間の弱さも、可能性も。
HYDEさんの世界に触れて、見上げて、必死で歩んできたこの27年の歴史がいまの私を支えているのだと改めて思う。NO HYDE, NO LIFE。今回はHYDEさんが公式にあげてくれた「THE ABYSS」にすがりついて、この局面を乗り越えようと思う。私の救いは、ここにある…。
どん底に落ちて、深い海の底に背中をつけて見上げた先にかすかに揺らぐ淡い光。それが、HYDEさんが私にくれた希望。