あまりにも同じだったので、なんかちょっと捻れ、と、フレッシュさを出せ、と、ご意見申し上げる気まんまんでアキバに乗り込んだ。
会場に入ると緊張感の中に親密な空気が流れていた。すでに満員。床井さん、くろがねさん、スタッフさん達がお客と挨拶をかわしているので前席はみな常連さんなのだろう。スタッフさんなのか客なのかわからないオーラを出している人も何人もいた。
時間ちょうどに副編集長の松尾さんからの挨拶で始まった。「限りなくGun誌に近い」雑誌を目指したとのこと。限りなくどころか全く同じじゃないか!と野次りたい気持ちも無かったといえば嘘になる。次の床井さんにいたっては「再刊」という言葉まで使った。ちょっとまて、本音と建前でいえば「新創刊」と言わなければならないところではないのか!確信犯の大胆不敵な犯行声明(?)に俺は心を揺さぶられて、その瞬間転向した。
イベントは床井さんがシャベリでくろがねさんが合いの手を入れる形でのトークでたっぷり一時間半。ガンショウの話が中心で、Gun誌再生の紆余曲折の話はなにも語ってくれなかった。だが床井さんはトークが達者で笑いが絶えず、最後は時間が足りなくなって松尾さんからストップがかかるくらいだった。
そしてサインの時間。皆言いたいことがあるので列がなかなか進まない。床井さんもくろがねさんも丁寧に受け答えしてくださっている。松尾さんは最初の数名にはサインをしていたのだが、遠慮されたのかすぐに奥にひっこんでしまわれた。松尾さんには「We're BACK here! 」で新生Gunを始められた意味とか裏話とかを聞いてみたかったのに残念だ。
俺のサインの番になって、床井さんには「全く同じで安心しました!うれしかったです!」と最初の意気込みとは全く反対のことを言ってしまった!「読者の皆さんがなるべく違和感をもたないような雑誌作りに努めた」とのお返事をいただいた。
くろがねさんには「カレイドスコープは通し番号ですね」とお声をかけましたら「いやあ・・・」とちょっと照れられた後、「1からやるのか、みたいな話はあったけどせっかく300番台まできたので通しでやらせてもらうことに」とお返事をいただいた。このひといい人だあ。とうれしくなった。
帰り、エスカレーターに乗ろうとしたその時、奥でスタッフさんと談笑している松尾さんを発見したが、そのまま足をエスカレーターに乗せて降りてしまった俺。話しかけてコメントを取るくらいじゃなきゃダメだよな・・・と遠ざかっていく松尾さんを見つめる俺であった。