三島由紀夫 生涯最後の長編小説
【豊穣の海】主人公ゆかりの地
静岡県静岡市清水区駒越
【豊穣の海】は、三島由紀夫による生涯最後の長編小説で、第1巻【春の雪】、第2巻【奔馬】、第3巻【暁の寺】、第4巻【天人五哀】からなる4部構成の夢のお告げと輪廻転生そして解脱、養子となった第4巻の主人公(透)の変貌と自殺未遂、養父 本多繁邦の苦悩、老い等、現世の人の醜い部分がリアルに描かれた作品です。~まだ一読しただけですが、凡人である ぼくには理解し難い世界でした。〜
静岡市清水区駒越は、三保の松原へ通じる海岸の西にあたり、主人公(透)が勤務する【帝国信号通信社 清水港事務所】の所在地として記されていますが、実際の現地は清水港からは駿河湾へ西へ5キロ程西に位置した場所となっていて、国道150号清水バイパスが三保の松原へと延びています。
昭和45年11月25日、豊穣の海の最終巻の入稿日に三島由紀夫は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に政治結社、楯の会メンバーと4人で訪れ、総監を人質に立て籠もると自衛隊諸氏に決起を促す演説をした後で割腹自殺を遂げ、同行した楯の会メンバーに介錯をさせるという凄惨なものでした。