11月8日青草俳句会では南足柄市の最乗寺に吟行を実施しました。
当日は丁度立冬に当たり、少し冷え込みましたが元気いっぱいの青草会員22名が集まり、電車バスを乗り継いで最乗寺に向かいました。
今年の晩秋から初冬は紅葉の遅れが目立ち、せめて薄紅葉でもという切ない願いもむなししく青々とした葉っぱを見上げていました。
それでも最乗寺の広い境内には天狗伝説をはじめ古刹の風情てんこ盛りで、皆さん佳き俳句を詠いあげて句会を盛り上げました。
(草深昌子主宰5句)
老杉の丈をそろへて山眠る
杉の木のひとくらがりも小春かな
立冬の三百段をのぼりきる
着ぶくれて天狗に会はんかと思ふ
杉の根に洞なきはなき神の留守
(以下主宰選「特選句」清記番号順)
冬に入る天狗の鼻の影長し まつを
おしやべりの遠くに聞こゆ暖房車 小径
くろがねの大下駄供へ落葉かな まさ一
神の旅金剛水は切れめなく かづ乃
沢の音に音奪はれて冬の森 翠
杉落葉朴の落葉や和合下駄 昌緒
水神の小さく御座す冬紅葉 きよ子
大杉の間の日輪冬に入る 昌緒
花八手見開く金の天狗の目 しょう子
突風は天狗のあそび冬立つ日 金太郎
幾百年生きてまつすぐ杉の冬 翠
杉仰ぐ狭間の空や今朝の冬 あき子
リフトより僧侶降り立つ山の秋 きよ子
水神の肌の白さや冬日和 さとみ
高下駄に落葉掃かれて最乗寺 きよ子
百段の磴の一歩や今朝の冬 黎
(記事 坂田金太郎)
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