『ウエップ俳句通信』(105号)に草深昌子主宰の作品が掲載されました。
白 草深昌子
若葉して戸毎に違ふ壁の色
今し行く小倉遊亀かも白日傘
浜あれば崖ある南風吹きにけり
薔薇守の鎌の大いに曲りたる
毛虫を見馬追を見る極楽寺
芒種けふ路傍の草の丈高く
梅雨さ中まれに蝶々屋根を越え
わら屋根の藁のすさびのほととぎす
絨毯を部屋に廊下にさみだるる
白雲のよく飛ぶところ通し鴨
梅雨に咲く花の色かやこつてりと
小諸なる古城のほとりサングラス
どれどれと寄れば目高の目の真白
蛇の衣脱ぐや高濱虚子の前
大木のそよぎもあらぬうすごろも
帰省子のそつくりかへる畳かな
なにがなし触つて枇杷の土用の芽
釣堀やひもすがらなる風の音
落し文解きどころのなかりけり
ひるがほの咲いてこの橋覚えある
(3人競詠20句より)
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