蒼い碧なユニコーン

ミュージシャン、ヴァレンシア(VALENSIA)のことを綴る、蒼碧(Aomidori)のブログです。

今日の一曲 ~ T'Kylah その3

2011年05月31日 | 韻を踏む

ようやく更新します…(汗)

T'Kylah 第3回。(ま、まだ続いてます…汗2 )

今回は “韻踏み” について。
この曲もかなりです。まさに縦横に踏みまくってます。
歌詞カードをお手元に置いてお読みください。


まず最初の段落、
Bavarois(ババロア) と Gabiah(ギャビア)が韻を踏んでいる…と思ったんですが、よく見ると
Chandon and Bavarois」 と 「Chant-Peign and love Gabiah
が全体で韻を踏んでいるんじゃないでしょうか?
Chandon,  chords,  Chant-Peign  は ch~ で頭韻(chords は音が違うので視覚韻)になっていて、「Who likes the chords」 と 「will like Chant-Peign」 としても視覚韻で対になっていますね。
そして  likes,  like,  love  という頭韻でリズム良く。

次の
「Oh , Kathy’s thirty-two (!) but she’s too good to be taboo」の行では、
Oh,  two,  too,  to,  taboo  と、
「トゥー」 や 「ゥー」 で韻を踏んでいる。 (she と be も長音ではある。)
too,  good,  taboo,  は oo で視覚韻でもある。
更に、「too good」  「to be」  「taboo」 としても。
とにかく o (ゥ) の音がいっぱいありますね。
これがフランス語的な響きを感じさせるのに一役買っているのかな。
 あ、Kathy’s と thirty-two も、もしかしたら韻を踏んでいますか?

次の 
How did she do it
How did she dare ?
では、今度は d がいっぱい。

次の行は  see,  so,  scientifically と、s で頭韻。
I made you do the things that you would never do
の行はまた d の音でリズミカルに。
その中でも 「you do」と 「you would (= you'd)」、そして 最後の do 、
更に次のコーラスの末尾の too とで韻を踏んでいます。

タカイラ~ タカイラ~ の後の段は更に凄いことになっていて、
まず、
happen と weapon と heaven と happens と 7(seven) と heavens 。
これがこの曲の中でもハイライトの押韻ですね!
跳ねるようなリズムを一層際立たせています。

そしてその間にも
sleeze と secrets
words と weapon
chordsare と charade
heaven と happen
perverted と parade
と、頭韻の嵐。

更に、 charade と renegade と parade がきれいに押韻。
しかも 「the perfect renegade」 と 「the perverted parade」 が一文の中で対になっていて… これでもか、という感じです。


I want you! (I!) ~ の段では、
rough - enough - tough
rain と ain’t も。
そして when a word to the wise は w で頭韻。


She’s in love with ~ の段も凄いですよ。
widow - Fellow - shadow - meadow
Four - door
そしてそれらの合間にも
with - widow
Fairy - Fellow - Four や
Sprinkling shadows - secret 6(six)
という頭韻が組み込まれたり…。
「with a widow」 と 「in the meadow」 としても押韻してますよね。

Four - door は 次の段の bar - bizar とも押韻。
behind the door と behind the bars の対比、そして bizar と、今度は b がいっぱい。

そしてラスト、
making love in Norwegian Wood - Like a Roman in an orgy would
ビートルズは Norwegian Wood を Knowing she would の語呂合わせとして書いたらしいですが、an orgy would も負けずに見事ですよね。
頭の make と like も一応韻を踏んでいると思います。



ところで… 
Gabiah ってキャビアなのかな??


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The Masquerade (マスカレード)

2006年09月05日 | 韻を踏む



Valensia の曲に於ける rhyme で一番好きなのが、この曲の

Masquerade  -  mask I made  

です。
音だけでなく、意味まで重なっているところが素晴らしい。
しかも3単語。(@_@) (元々masq = mask ではあるのですが。)


この他にもいろんな rhyme が隠れています。

A Deja-vu  -  cyanic moon  -  I'm in a cocoon

これはもちろん、デジャヴー, ムーン, コクーン, の <ウー> で韻を踏んでいるのですが、よく見ると、その前の2つの <ア> (" cyanic=サイアニック " にも2つの<ア>があります。)や、更に cyanic moon では、moon の直前に"c"が加わることで「ックムーン」 として cocoon と韻を踏んでいます。


更に…

irenical silk tonight  -  iridescent butterflies

dropping out of the sky  -  dreaming the day we die

temerarious  -  tempest eyes

escaping the truth  -  breaks through

impious sights  -  incredible heights

while the shallow only shows   -   another white, withering rose

mean machine  -  speak unclean

only snide  -  on their side


他にも

down at dusk

cumulus clouds

dreaming the day we die

white whirling winds entwine

soon as the sun

dazed by the deep

shallow only shows

のような頭韻もたくさん使われてリズムを生み出しています。

down at dusk under cumulus clouds  や、
dazed by the deep while shallow only shows
のように、頭韻同士を対比させるという技まで!


また、全体を通して <アイ> で韻を踏んでいますね。

tonight - butterflies - sky - die - entwine - eyes - cry - lie - sigh - die - sights - heights - snide - side - …



こうしてみると、rhyme に全く関わっていない部分の方が少ないくらいかも…

全体の詞もとても深く、メロディ、そしてヴォーカルも本当に素晴らしい曲です。ただ Valensia 自身は辛かった時を思い出すからか、あまり好きでないらしく、それがちょっと残念…。 (彼の作品の中で唯一、アレンジを他人に任せた曲でもあります。)
2nd アルバム 『 KOSMOS 』収録。



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Rhyme (韻)

2006年09月01日 | 韻を踏む


rhyme = 韻(いん) というのを御存知でしょうか?
英語の詩で、(一般的には)行の終わりを同じ “音” で揃えるのを “韻を踏む” と言います。
漢詩にもあるし、最近は邦楽でも意識して作詞されてる(特にラップでは必須)のを結構見掛けますが、

without rhyme or reason  (わけも理由も無く)

という言葉が熟語としてあるくらい、韻を踏ませる為なら少々(かなり?)意味不明になっても許される、のが英語詩の常識のようです。(マザー・グースが良い例ですね。) 英語圏には、韻を踏む言葉を捜す為の"語尾から引く辞書"もあるらしい。

ということで、歌詞も詩である以上、誰の詞でも多少の韻を踏んではいるのですが、VALENSIA のそれは、もともと音の響きを大切にするアーティストなだけに、本当に見事なものが多いと思うんです。
今度はそれを幾つか挙げてみたいな、と。

そういえば、彼の学生時代、授業中に歌詞を考えてるのを先生に見咎められた時、「~と韻を踏む言葉をご存知ですか?」と開き直った返事をほざいて(笑)先生の怒りを買い、謹慎処分をくらった… と言うエピソードを何時だったか披露していましたっけ。(^_^;)


リストに挙げ始めたらキリがない(というか、全曲該当してしまう)ので、思い付いたのを随時UPしていくことにします。



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