4thアルバム「GAIA II 」収録の、とても Valensia らしい曲。
"Einstein "というのは、そう、あの相対性理論で有名な
アインシュタイン博士の事です。
今年は、博士が特殊相対性理論など物理学にとって革命
的で重要な理論を立て続けに発表した、いわゆる「奇跡の
年」から100年に当たるそうで、国連も2005年を「国際物
理年」と宣言し、世界中で「世界物理年」の行事が行われ
ています。なのでそれを記念してこの曲をご紹介…。
アインシュタイン博士は、かねてから私の好きな人物の
一人でありました。
(いえ、物理は苦手なんですけど。(^_^;) 人間的に、ね。)
だからこの曲を聴いた時は本当に嬉しかったです。
曲調も私の大好きな裏打ちPOPS +クラシック・テイストな
イントロや間奏、バックに流れるマイナー(?)なストリングス、
ミステリアスな転調、そして何よりあの絶妙なハーモニー!
… Valensiaってつくづく天才、と思わずにいられません。
歌詞がまたインテリジェンスに溢れています。
~プラスティックの時代から抜け出す為に、
第二のアインシュタイン、出ておいで。~ という内容。
物理とか化学とかにこだわらず、とにかく何か次なる
ステップへの革命的なアイデアを生む者を切望している、
という意味じゃないかと思います。
ちょっとした比喩も気が利いてる。
windows と shells が意味するものとか…(笑)
そうそう、注釈もアインシュタインに因んでいますね。
"Relative intro " … 相対性イントロ?(笑)
" E= M Solo 2 " は勿論、最も美しく有名な公式である
特殊相対性理論の「E=mc2 」をもじったもの。
"Worm-holed outtro " … ワームホールとは時空に
あいた虫食い穴、即ち「時空トンネル」のことで、物理学
用語です。別名「アインシュタイン-ローゼンブリッジ」。
化石資源に依存した現代社会を告発しながらも、
決してシリアスになり過ぎず、ユーモアを忘れないところ
がまさにアインシュタイン博士の人柄にも通じて、とても
Good!だと思います。
そして Valensia らしく、言葉の持つ
音の響きの使い方が実に巧み。
VCR, CDR, PC, TV, CD, DVD …
まさに早口言葉のこのフレーズ、歌えるようになるには
特訓が必要ですね。(笑)
しかし、歌詞に出てくる"水で走る車"も今や現実的に
なってきて驚き…。
水素を燃料に、排出するのは水だけってやつ。
日本がその開発のTOPを走っているのは誇らしい事ですね。
「ガイア」 は1993年(日本では’94年)、オランダの若きソロアーティスト、Valensia のデビュー・シングルとしてリリースされ、本国は勿論のこと、遥か遠いここ日本でも大ヒットを記録したのでした。
ポップス、ロックのみならず、へヴィメタルからクラシックまで、実に幅広い層の音楽ファンから高い評価を得ています。
3拍子が印象的で壮大なイメージを持つこの曲は、まるで映画音楽のよう。私も最初聴いた時は疑いなくそうだと思っていました。それが若干22、3才の新人アーティストの曲と知った時は、本当に驚きました。しかも作詞・作曲・アレンジと、そしてあの美しいヴォーカル&コーラスの殆んどのパートが本人(男性!)によるものだと知った時の衝撃といったら…。
しかし驚きはそれだけではありませんでした。
収録アルバム 『 GAIA 』 を聴き、また愕然。(笑)
ヴァラエティに富んだ曲の数々、これ全て同じ人物が作って、一人で歌ってるの???!!
驚きと同時に本当に嬉しかったです。彼に出会えた事が。
さてその歌詞についてですが、前に触れた通り、人類への警鐘という意味合いを持っていると思います。
"戦争などしている場合じゃない、
このままだとGAIAは僕達を押し流してしまうよ。
或いは核の冬の到来で僕らは氷に埋もれてしまうだろう…
どっちにしたって未来は無い…。こんな世の中にしたのは誰?
さあ、立ち止まってもう一度考えよう。"
大まかにはこんな内容だと思われますが、深~く、色々考えさせられる詩ですので、ぜひ原語詞を読んでみて下さい。
10年以上前に作られた曲ですが、まさに現在の状況に怖いくらい当てはまる内容ではないでしょうか。
環境汚染による気候変動や核戦争の脅威など、もちろん当時も心配されてはいましたが、現在状況はますます深刻になりつつあります。ただ、世界の人々の意識も漸く少しは高まってきているようにも思います。
だから…今こそGAIAを多くの人に聴いてもらいたい、と思うのです。
※ PV → Official YouTube
※(2018年4月追記)収録アルバムは長らく廃盤でしたが、遂に再発されました!(ブックレットも昔のままです)→『Gaia』Amazon
「1997」は「GAIA」のエピローグ。セットになると、本当にひとつのサウンドトラックみたいな感じです。
SE とセリフの後、GAIAのテーマがシンフォニックに盛り上がってクライマックスを迎えます。