「The Mercurian Mystery March I 」です。
宇宙に関連した言葉は以下のフレーズに含まれています。
「In the beginning, a sun and two moons in the sky
Mercurian orbit swinging, the polar lights on the equator sing 」
「We threw rocks at the moons in the sky 」
「The Mercurian Mystery .. 」
これは Valensia が Robby Valentine と組んだユニット “ V ” の
1stアルバム 『 V 』 に収録されている曲です。歌詞カードには Valensia/Valentine とクレジットされていますが、実際の作詞・作曲は Valensia です。元々自身の2ndアルバムに入れるつもりだったのですが、プロデューサーから「待った」が掛かって諦めた曲なのでした。 それは何故かというと…
クイーン に詳しい人なら聴けばすぐに分かるでしょうが、彼らの名曲「The March Of The Black Queen 」 に似ているんです。…って、タイトルからして既にその影響は明らかでしょう。( 実際にはクイーン以外からの影響も色々あるんですけど。)
しかし単なる亜流、とスルーしてしまうにはあまりにもったいない名曲です。"Black Queen"の事は少し忘れて、じっくり聴いてみて下さい。僅か3分に凝縮された壮大な叙事詩。素晴らしいメロディとハーモニー。ギター・ソロもドラマチックで、胸が熱くなります。
そして…
先ほどタイトルについて触れましたが、前述したように、大抵の人はこれは 「Freddie Mercury(=クイーンのヴォーカリスト)」 と 「The March of the Black Queen」 からの"頂きモノ"だと思うでしょうね。 曲調からいって確かにそれはあるでしょう。でも実はもう一つ意味がある、と私には思えるのです。
「The Mercurian Mystery March 」 とは、「水星人の不思議な行進」…でも良いけれど(笑)、本当は 「水星の不可解な運行」 の事ではないかと思うんです。 Mercurian orbit swinging.. とあるように。
19世紀、太陽系の惑星の軌道はニュートン力学によってほぼ計算されていました。しかし一番内側を回る水星の軌道だけが、計算外の不可思議な揺れを含んでいたのです。その原因の解明に学者達は長い間頭を悩ませていましたが、20世紀に入り漸くそれを解決したのは、かのアインシュタインでした。彼の一般相対性理論は、重力によって時空が曲がる事を示します。その考えに則って計算した水星軌道は、見事に観測値と一致したのです。これは一般相対性理論が世に認められる為の最初の重要な成果でもありました。
「Einstein」という曲を作ったほどですから、Valensia はアインシュタインに興味を持っているんじゃないでしょうか。だからこの曲もきっと水星軌道の話がベースにあるのでは、と思ったわけです。
Nuclear breeze という言葉も出てくるように、詞は核の脅威を歌っています。核兵器もまた相対性理論の産物… それで 水星のマーチ と掛けたのではないかと。 そして曲の方は (フレディ・)マーキュリーのマーチ と掛けた、と考えると…
深い。そして凄すぎです。「単なる亜流、とスルーしてしまうにはあまりにもったいない名曲」と言った意味、分かって貰えましたよね? (仮に Valensia がこの事を知らずに作ったのだとしたら…それはそれで凄い…というかちょっとコワイくらいかも。)
更に…
「我々は歴史を繰り返してしまうけれど、(水星のように)少しずつ軌道をずらす事は出来るかも 」って意味も含まれてる?と思ったり…。 そこまで考えるのはちょっと穿ち過ぎかもしれませんけどね。
We're reviving the history
The Mercurian Mystery ..
Valensia が歌う "The Mercurian Mystery.."の部分がとても好きです。
YouTube - The Mercurian Mystery March I
「Goodnight Orion」は、5thアルバム「The Blue Album」収録の わずか 0'40'' の小品。愛娘・アリッサちゃんが生まれた時に書かれたララバイで、アルバムの中ではその名も「Alyssa」という曲の前座のように使われています。
アリッサちゃんは12月生まれなので、ちょうどその寝室の窓の外にオリオン座が輝いていたのかも知れませんね。愛情に溢れた綺麗な曲です。
しかし、ヴァレンシアの歌声、知らない人が聴いたら絶対に男性だとは思わないでしょうね。(笑)
試聴 (というか、短いのでフル聴けます。) → HMV
(その1)はこちら。
今回は「宇宙・星」的な部分を見てみると…
「Hi little girl, the earth is so sore
And I think she's gonna die soon
Remember girl that earth is your homeland
That earth... earth.. 」
「Stars, the moon & the stars, the sun
The moon, the sun
All seeking love anyway 」
「Fly with the planets the stars and the sun
Time time time goes as fast as light 」
「With the stars and the moon and the sun
The stars, the sun, the moon
Come on all together
Let's welcome the new MillenniuM 」
この詞がワルツのリズムに実にハマって、星たちと共に宇宙を飛んでいるような気分になります。
地球は病んでいるけれど、新しいミレニアムに希望を繋げよう…という曲だと私は解釈しています。
「 So enter this brave and new MillenniuM ! 」
Yesterday, a star was born
universe is breathing it is pure life
で始まるこの曲は、1996年に発表された VALENSIA の 2ndアルバム「KOSMOS」 に収録されています。「人間は何処から来て、何処へ行くのか…」この永遠のテーマを元に作られ、タイトルからしてまさに"宇宙 "。
思い返せば1980年、カール・セーガン博士がTVから語り掛けて、この「コスモス」という言葉は一躍世間に広まったのでした。「核の冬」という言葉が浸透したのもこの番組がきっかけだったと思います。 Valensia のこの曲も、直接 or 間接的に影響を受けているのは間違いないでしょう。
KOSMOS (その1)
ところで、「コスモス」というネーミングは今やあちこちで目にするようになりましたが、私が今注目しているのは、“日本科学未来館”に設置されているプラネタリウム「メガスターII COSMOS」です。大平貴之さんという方が全く個人で(!)制作されたプラネタリウムなのですが、天の川の星一粒一粒まで正確に再現する事で、非常に奥行きのある星空の表現に成功した、画期的なプラネタリウムなのです。この「コスモス」が設置されているドームの名が、なんと「ガイア」! “ドームシアター・GAIA” なのだそうです。行ってみたいなあ。今すごい人気で、すぐ定員一杯になってしまうらしいんですが。
そしてこの大平さんという方、どこかヴァレンシアに通じるところがある、と私には思えるんです。そっくり!とまでは言わないけれど、何かしら似てらっしゃるんですよねえ、性格とか考え方とか(本やHPを拝読しただけの感想ですが)。職人技とアーティストとしての才能&強い(!)こだわりを併せ持ってるところとか。年も近いですね(一つ違い)。 今、ネスカフェ・ゴールドブレンドのCMに出演されるなど、メディアでも活躍されています。
私は流星雨を見る時とか、いつもウォークマンで Valensia の曲を聴くんですけど、やっぱりハマるんですよね。 メガスターの降るような星空の下で GAIA や KOSMOS、そして MillenniuM を聴けたらどんなに素晴らしいだろう…と夢見ます。今は家庭用プラネタリウムの「ホームスター」でコラボを楽しんでいますが、やっぱりもっと大きな星空の下で聴きたいなあ…と思います。
YouTube - Kosmos
久しぶりの投稿です。(汗)
何にしようか迷ったけれど…書きたいのは、やっぱりこれかな。
ヴァレンシア作詞・作曲の「宇宙・星に関する曲」。
まずはリストアップしてみます。
Gaia
Kosmos
MillenniuM
The Mercurian Mystery March
Cassiopeian Sky Surveillance
The Cassiopeian
The Barely Acceptable Truth Of Knowing II
The Moon
Goodnight Orion
Zenith
The Extra Terrestrial
Stars Tonight
Requieme Pour Jacqueline
21st Century New Christmas Time
こんなところでしょうか。
「The Sun」 は…まあ、入れなくて良いでしょ?(笑)
あと、カバー・ソングですが 「HIJO DE LA LUNA」(ミニアルバム「LUNA LUNA」収録) は捨て難いかも。月の伝説をドラマティックに歌っています。