45. 中国・韓国と日本の違いの原点 「 5ロ 中国は国ではなく文明 」
終章
中華民族の正体 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
5イ 中国が覇権を握る日
5ロ 中国は国ではなく文明
5ハ 愛国教育は情報操作
5ニ 中華民族とは何か
5ホ 孔子を排斥した毛沢東
5ヘ 孔子学院プロジェクト
5 ト 中国崩壊の予言
5チ アメリカ人と中国人
5リ 中国はアメリカのフレネミー
5ヌ 中韓の捏造が信じられるわけ
5ル キリスト教圏とイスラム圏の距離
5ヲ イスラム版中華思想
5ヨ 儒教と対立する老荘思想
5タ 中国は民主主義国になるか
5レ 中国を模倣しなかった日本
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5ロ 中国は国ではなく文明
中国文明は、理解しにくいが、「中国」は「国」ではないのだ。
この点こそ、中華文明を理解するのに当たって、重要な鍵となる。ほとんどの人々が、中国が国だと思っているが、そう思ったとしたら、大間違いだ。
「中華」という言葉は、他の全ての民族が、未開の東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)、南蛮、北狄(ほくてき)であって、自らを世界の中央に位置する、唯一つの文明である、という意味だ。
中華は、自称だ。今日でも、中国は中華であると信じて、思いあがっている。
中華帝国は、紀元前の秦から始まって、最後が、二十世紀に入って滅んだ清だが、すべて王朝の名前であって、国の名前ではない。漢、隋、唐、宋、元、明から、清まで、みな王朝名であって、国名が存在しなかった。
どうしてなのか? 中国の皇帝は、全世界を支配していると信じていたから、国の名前を必要としなかった。対等な国なぞ、どこにも存在しているはずがなかった。
ところが、清朝が、第一次阿片(あへん)戦争で、イギリスに敗れて、1842年に揚子江に浮かぶ、イギリス艦隊の旗艦「コーンウォリス」号の艦上
で、南京条約を結ぶことを、強いられた。国と国の条約だから、この時、はじめて、国名が必要になった。
そのために、清という王朝名を、便宜的に、国の名として、用いた。龍をあしらった国旗も、はじめてつくった。それ以後、中国は、国名を持つようになった。
いまでも、中国は国ではなく、文明なのだ。
習近平国家主席が、「悠久の中華文明の偉大なる復興」と、さかんに叫んでいるが、けっして、過去にあった国を、再現しようとしているのではない。
恐ろしいことに、国ではないので、国境がない。中国はまわりを、つぎつぎと呑み込んで、巨大化してきた。膨張して、支配したところは、すべて、中華文明に吸収される。
満州も、チベットも、新疆ウィグルも、内モンゴルも、中国が占領したところは、すべて、中華帝国の固有の国土として、組み込まれてきた。
中国は、国境がない文明だから、他国の領海も、排他的経済水域も、その国のものではない。もちろん、他の国の領土も、認めない。
このような、”オレのものは、オレのもの。お前のものは、オレのもの”という、天下イズムは、中華思想から発している。
地上のすべてのものが、中華料理の素材なのだ。中国が食指を動かしている、尖閣諸島も、食材の一つでしかない。
北京で、中年のオバサンの華俊瑩(かしゅんえい)報道官が、しばしば、内外の記者を集めて、記者会見を行い、「日本が、ナショナリズムを復活させているのは、危険だ」と、述べている。
だが、中国は自国の人民に、「愛国主義による、中華民族の復活」といって、ナショナリズムを、さかんに煽りたててきた。
参考:加瀬英明著「中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか」
加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長