独白

全くの独白

公僕や政治家の在りよう

2020-10-14 16:18:09 | 日記

学術会議騒ぎが、いつ迄経っても収束しない。無理も無い。長引くべき構図なのであるから。

野党が迂闊にも隣の土俵に上がってしまったのをこれ幸にか知らずにか、政権側も同じ土俵に乗って、予選から改めて試合をし直している。黒川任命問題を、公務員の定年延長問題へと、裾野を広げてしまった様にである。

野党のシンタリティの下意識に、そうした方が、首尾よく打ちのめし得た暁に、政権側の受ける衝撃が、より大きかろうとの儚い戦術的打算があるからかも知れない。

而して政権側は兎も角、野党が意識下に於いてもこれを打破しようとしないのは、土俵の位置が、纔かにしか動いて居らず、動いた事に気付いて居ないからであろうか。

ところが政権側は更に土俵を、掛け離れた処に移しに掛かっている。6人の任命問題が、違法、違憲、学問の自由問題へと、更には学術会議の象牙の塔的な在りよう問題へと、移り変わりつつある。

野党が偶然本来の土俵に上がろうとしても勝れた軍師の多い政権側がそうはさせない。煙幕を張って周囲の土俵へと誘導する。

そこでは105人のリストを見たか否かとか、排除したのは菅さん本人か内閣府の誰かなのかとかいった(ちなみに菅さんは、「こういう事」「こんな事」「あんな事」などを、「こういった事」「こうした事」「ああした事」等という癖があり、早くも巷で流行りつつある様だ)事が争われている。

併し元の土俵で争われるべきは、「何故排除されたのが105人の中のこの6人であって他の6人では無かったのか」なのである。極めて単純素朴で具体的なこれだけの質問に、何故素直に答えようとはしないのか。

矢張り民を、知らしめざるべき者と見て、愚弄する遺伝情報が、政権側のシンタリティの底に、残存しているからなのであろうか。

そういえば加藤さんも12日の記者会見で言って居る。「105から99に絞った経緯に就いては、人事の話なので詳細は控える」確かに一従業員に対する通念は、そんな処かも知れない。

併し国民を、従業員とは見ざるべきである。国民は出資者であり、株主である。それに対して「詳細は控える」で済むのであろうか。

其れこそが象牙の塔の住人の態度である。