独白

全くの独白

順序が逆

2017-06-04 15:23:08 | 日記
「怖い→顫える」が普通の順序であるが、「顫える→怖い」という事もある。
私は宿酔から覚める時、いつも軽い顫えを感じる。その感じがあると、もうすぐ宿酔の不快感から解放されるという事が知れるのである。
併し同時に理由の無い不安を覚える。そんな時に風でカーテンが揺れていたりすると、不安を通り越して恐怖を感じるのである。
幼い頃には夜の強風に大木が大きく揺れて、不安定な葉擦れの音が鳴り騒いでいると無性に怖くて、前世では台風で死んだのかも知れないと思ったりして居たものであるが、
長ずるに及んでは、余程の烈風でなければそんな風(ふう)にも感じなくなって居た。
それが宿酔から覚める時には甦えるのである。普通と逆に、顫える事で怖くなるという事もあるのかと、顫え乍ら考えている内に顫えも恐怖も消えて行く。
先日こんな事もあった。夢を見ていた。
夢であり脈絡は無く、家が土砂崩れに襲われたらしく、妙に冷静に覚悟が定まり、生きた儘土砂に埋まったかと思うと、息苦しさも感じないうちに生き返り、いつの間にか森に居た。
外は寒かったのか、知らぬ間に屋内に居る。ホッとしたのも束の間、巨体の羆が天井を破ろうとする。
寒いとも言って居られなかったのであろう、外に逃げ出すと、あちらにもこちらにも羆が居る。逃げ場が無い。
何せ森の中、足元が悪く、こちらが一、二歩歩く内にあちらはズンズン近付いて来る。
モタモタしている内に天井を破った奴も、追って出て来るかも知れない。万事休した。
そこで目覚めると、歯がガチガチ音を立てて居て、覚めたのに収まらない。暑い程の日が続いて居たので、毛布一枚で寝ていたが、夕方の天気予報で寒く成ると言っていたのを思い出して、
押し入れから布団を出して又寝すると、熟睡する事が出来た。
此の時は「(寒くて)顫える→怖い→怖い夢を見る」という順序を辿った訳である。