17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

余寒

2023-02-18 08:27:39 | 日記
被災者の耐へたる話余寒なほ

季語 予感 暦の上では寒が明けて、春を迎えてはいるものの、まだ残る寒さがあるという意味。立秋後の暑さを残暑と呼ぶのに対応している。「冴え返る」「春寒」とほぼ同様の内容であるが、「ヨカン」という漢語の読みの硬質な響き、また「寒さが余る」という抽象的な表現であることなどから、おのずから微妙な違いがある。「余る」の一字には、この時節の、人の心の内側へ向けた視線が働いているようにも感じる。歳時記抜粋。

掲句 トルコ地震のニュースから

例句 地震(ない)あとの余寒や探しものばかり  坂本謙二


蕗の薹

2023-02-17 19:48:08 | 日記
ほろ苦き味もまた良し蕗の薹

季語 蕗の薹 フキはキク科の日本原産の多年草。雌雄異株で山野から庭先まで至る所に自生する。茎は地下茎を伸ばし、早春、苞に包まれた花芽をのぞかせる。枯れ色の野の中にぼっつりとこの萌黄色の花芽を見つけると、春の訪れを感じて心が弾む。花の咲かないうちに摘み、天婦羅や蕗味噌にしたり、みそ汁に放してほろ苦さを味わう。春の深まりと共に花茎は30cm以上に伸び、白い冠毛が目立つようになる。 歳時記抜粋。

例句  母のあとついて歩けば蕗の薹  山本洋子


春の霜

2023-02-17 08:42:28 | 日記
アレグロに雨垂れの音春の霜

季語 立春を過ぎて降る霜である。「霜」と言えば本来冬の景物で、古来漢詩、和歌では好んで用いられた歌材である。特に季節が深まって露が霜に変わり、辺り一面の気色が白々と、寒々と見える見えることに詩人・歌人は感興を覚えた。その「霜」が春になっても身ほとりを去らずに閑かにおりている様は暖かい春を迎えた歓びとは別の、遠のいていく冬を惜しむような気分に浸らせてくれる。立夏を間近の「忘れ霜」とは全く別の季語として扱うべきだ。歳時記抜粋。

掲句 三寒四温の激しさにを霜解けの音の変化にに感じた。

例句 野の起伏ありてきらめく春の霜  大竹淑子

ものの芽

2023-02-16 04:49:30 | 日記
ものの芽や球児の声も今盛ん

季語 ものの芽 特定の木や草の芽ではなく、木の芽も草の芽もひっくるめて、春になって芽吹き萌えでるいろいろの芽を総称して「ものの芽」と言うが、どちらかと言うと草花や野菜の芽に使うことが多い。何の芽かはっきりしない気持ちも含めて芽吹くもの全体を指していう。歳時記抜粋

例句 ものの芽の雪ふるときも旺んなり  伊藤凍魚

菜の花忌 

2023-02-15 06:46:36 | 日記
街道に残る逸話や菜の花忌

季語 菜の花忌  二月十二日。小説家,司馬遼太郎の忌日。大正十二年八月 
大阪に生まれる。大阪外国語学校卒業。産経新聞記者時代、ペルシャの幻術師で小説デビュー。以来数々の話題作を発表。菜の花は司馬の愛した花。平成五年に文化勲章。同八年没。七十二歳。歳時記抜粋。

掲句は作品の街道をゆく 紀行文集に関連。

例句 ゆるやかな海の明るさ菜の花忌  山田みづえ