投資家の目線

投資家の目線216(東京都の格付け依頼撤回)

 東京都が、ムーディーズの都債格付け依頼を撤回した。同社が都債の格下げしたことについて、「都の財政状況に基づかず、説明があいまい」(財務局)ことが理由のようである(2009/7/29日本経済新聞朝刊)。しかし、格下げしたからといって格付け依頼を撤回したのでは、格付け会社が発行体に配慮し、格付けを甘くするインセンティブが働くのではないだろうか?証券化商品の格付けでは、発行体から格付け手数料を取っているので格付けが甘くなったなる批判されていたはずだが・・・。私企業ではなく、自治体ならそのようなことをしてもよいわけではないだろう。(この件に関し、一部の新聞ではオリンピック招致がらみの話が出ていたが、7月31日の都知事の記者会見でそれを否定している。周囲が気を使ってこういう記事にしたのかもしれないと思うが・・・。)
 今後、格付け会社の監督は国がする。国債という債券発行者である国が監督をするようになれば、格付け会社の経営上の問題から国債の格付けが甘くなりがちになるのではないか?その場合、投資家より発行体の意向のほうが優先されるのではないかと危惧する。

追記:現在、地方税の取扱いは国主導で決められるという。都の財政状況は国より健全というが、国税に比べて地方税に不利な税制改正がなされたら、都の財政にも影響するだろう。
----------------------------------------------------------------------
・中部大阪商品取引所の理事長が経済産業省OBになった。ここも天下りポストとなるのか?今後、東京工業品取引所と統合するならともかく。
・衆議院の青森1区で引退した津島雄二氏の長男が県連の公募の結果候補者となったが、自民党は公認せず無所属で出馬するようだ。当選したら結局自民党入りするのだろうか。
・28日、東京地裁でNHK受信料支払いに関する判決があった。同日の産経新聞NET版で『被告側が「民放のテレビ番組だけを見ていた」などと主張していたことについては、「NHKの番組を一切視聴せず、民放番組のみを視聴することが日常生活において一般的とはいえない」と退けた。』というが、今の時代にその判事の感覚は一般的なのだろうか。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「金融」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事