8月29日、三菱UFJフィナンシャルグループが三菱UFJ証券の完全子会社化を決定した。日本の大手金融グループでは三井住友フィナンシャルグループ(以下三井住友FG)によるSMBCフレンド証券の完全子会社化に続いて2社目になる。各社は公的資金の返済を目指しており、買い戻した優先株を普通株に転換して、その普通株を自社の企業再編のために利用できるのならば有効な使い方といえよう。また、残るみずほフィナンシャルグループの動向も気になるところである。みずほグループの持株比率からすれば、新光証券よりみずほインベスターズ証券のほうが可能性は高いのではないだろうか?
三井住友FGとSMBCフレンド証券の交換比率は1対0.0008で、
三井住友FG SMBCフレンド証券
完全子会社化発表日(3/30)の株価 1,290,000円 988円 (比0.000766)
契約締結日(4/28)の株価 1,250,000円 1,037円 (比0.000830)
であり、市場株価でみるとどちらが有利不利ということもなく妥当な線といえよう。これを考えると、三菱UFJグループの場合も市場株価で交換比率が決まり、あまり価格差による裁定利益は得られないのではないだろうか?
なお、M&Aといえば見落としてはいけないことがある。コナカとの経営統合を決めるフタタの8月18日の臨時取締役会で、「店長たちの間では六対四でAOKI支持派が多い」と発言した取締役がいたことである(2006/08/22 , 日本経済新聞 地方経済面 (九州B))。ニッポン放送、阪神電鉄、北越製紙での案件では、従業員は少なくとも表面上は自社の経営陣に賛同した。しかし、経営陣にとって敵対的だからといって、従業員にとっても敵対的買収とまでは言い切れないことがあることも記憶に留めておかなくてはならない。
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