投資家の目線

投資家の目線359(ブラジルの保護主義化)

 最近、ブラジルが保護主義的な政策を取っていると報道されている(2012/4/6ロイター「ブラジルをめぐる主要な政治的リスク」)。外国からの乗用車輸入額に制限を設けるなど、EPAを締結しているメキシコに拠点を置いて、ブラジルに輸出している日系自動車メーカーにとっては戦略の変更が必要で、頭の痛い問題だろう。

 エマニュエル・トッド著「デモクラシー以後」(石崎晴己訳・解説 藤原書店)では協調的「保護主義」が提唱されている。景気刺激のための保護主義、保護主義が世界貿易を刺激するという考え方だ。そして、「保護主義の究極の観念とは、…中略… 給与の再上昇の条件を作りだそうとすること、したがって需要の再始動の条件を作りだそうとすることなのです」(同書P12)と述べている。また、「いつの日かわれわれは、唯一最適な態度とは、自由貿易から保護貿易へ、保護貿易から自由貿易へと際限なく移行を繰り返すのが適切であるとする態度だ、と気づくだろうというものでした。経済に活力を与えるために国を開き、次いで活力を与えるために国を閉ざさなければならない、そうした時期があるのだと」(同書P15)とも述べている。この考え方からすると、ブラジルの保護貿易主義化もそれほど悪いものではないように思うが…。

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・4月26日、陸山会事件で小沢元民主党代表に無罪判決が下った。判決の前日、4月25日発売の週刊文春には小沢元代表の隠し子騒動。文藝春秋は「田中金脈」問題を特集した雑誌で、さらに田中角栄元総理の女性問題(「淋しき越山会の女王」)も報じたという。30年以上前のパターンの焼直し?文藝春秋社も「芸」がないんじゃなイカ?
 ジャパン・ロビーの面々は、「アメリカの国益は、日本の中央集権的な経済体系を維持できるかどうかにかかっている」と力説したという(「東京アンダーワールド」 ロバート・ホワイティング著 松井みどり訳 角川書店)。小沢氏の唱える「地域主権」は、彼らの(霞ヶ関の連中も)利益とは相容れないのかもしれない。

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