投資家の目線

投資家の目線418(EUの対米FTA)

 EUは対米FTA交渉で音楽・映像部門を除外することで合意した。フランスが除外を主張していたと報道されている。

EU、対米FTA交渉の音楽・映像部門除外で合意 2013/6/15 ロイター

 フランス語がヨーロッパの王侯貴族の国際語となり、18世紀半ばからはヨーロッパの国際条約はフランス語を正文とするようになっていたぐらいだから(参考文献「国際関係史 16世紀から1945年まで」東京大学出版会 有賀貞著)、彼らが自国の文化に自信をもつのは理解できる。


 音楽や映像の部門は知的財産権の分野になるだろう。知的財産権の保護は一種の独占を認めることであり、行き過ぎると競争を阻害し、消費者に不利益をもたらす。例えば、特許権が認められるのはかなり狭い範囲であり、特許に抵触しない範囲で類似商品を製造できれば代替品の効果で商品価格が低下し、消費者の利益となる。一時流行ったビジネスモデル特許も、工業製品の特許よりもかなり広い範囲に及ぶため独占・寡占が起き易くなったことが問題視されていた。TPPでもそうだが、知的財産権が過剰に保護され、薬品のようなものの価格が庶民の手に届かないほど高くなれば、知的財産権保護への反発が増えるであろう。そこら辺の落としどころをどうするかが重大問題だ。

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・今週、日米合同演習があった。日本のマスメディアは尖閣問題をにらんだ離島奪回作戦といい、上陸艇から自衛隊車両を上陸させたことを報道している。しかし、尖閣諸島の写真を見るとどうやって車両を運用するのか不明だ。
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