投資家の目線

投資家の目線419(鳩山発言)

 鳩山元総理が香港のTVで尖閣問題に関する発言が問題視されている。発言要獅ヘ13/6/29のMSN産経ニュースが伝えている。

日本固有の領土は「ポツダム宣言が始まり」…古巣も辟易の鳩山氏発言要?/a>

 ポツダム宣言には次の項がある。

八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ

 さらにカイロ宣言では次のようになっている。

右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ

 鳩山発言はこのことを踏まえたものである。ニューズ・ウィーク日本版2012年10月3日号では、ブライアン・クライン元国務省中国経済担当官が尖閣諸島について「日本は日清戦争に勝った1895年に、これらの島を取得した」としている。「同盟国」の元役人でさえ、尖閣諸島の領有を日清戦争と関連する問題と認識しているのに、カイロ宣言の対象外という日本の主張にどれだけ他国の賛同が得られるのだろうか?

 日韓間の通貨スワップ協定が終了した。一方、韓中間の通貨スワップ協定は延長されている。木村正人氏のブログ13/5/8『「日米安保は中国に対するヘッジだ」知日派ナイ教授語る』によれば、日本のマスコミが「知日派」と報じるジョセフ・ナイ教授でさえ米国外交の主流は対中国で、対日本は傍流と言っているようなものだ。そのため、大韓民国が韓米中関係を重視し、韓米日関係をヘッジとして扱うのは合理的な選択だろう。イギリスも人民元の通貨スワップ協定を結んだし、今年は台湾との間で人民元建て決済システムを始動させたり、豪州とは通貨スワップに続いて人民元と豪ドルの直接取引も始まったりしており、中華人民共和国の対外的な影響力は強まっていると考えるべきだ。これらの関係を見ると、ソビエト連邦と異なり中国との間では「冷戦」など起こっていない。日本国内では「冷戦」を演出することによって意図的に国民の危機感を煽り、自身の権益を維持拡大しようとする勢力がいるのではないか?そのような勢力にとっては鳩山元総理の存在は邪魔なものであろう。

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・6月29日の孫崎元イラン大使のツィートによれば、鳩山元総理が出席した精華大学主催の第2回世界平和フォーラムにはキッシンジャー氏だけでなくブレジンスキー氏も出席していたようで、出席者が大変豪華。そこで鳩山元総理に基調演説させるというのは、中華人民共和国側からの大変なメッセージだと思う。

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