投資家の目線

投資家の目線465(外貨で買い物)

 米海軍基地のある街横須賀市で、米ドル紙幣で飲食や買い物ができる「ドル旅キャンペーン2014」が始まったそうだ。今年は65施設が参加し、年末まで開催されるという(「横須賀でアメリカ気分、米ドル紙幣で飲食・買い物、65施設、年末まで開催。」2014/5/20 日本経済新聞 地方経済面 神奈川)。外貨を使って国内で買い物ができるように、98年に外為法が改正されている(外為取引ドットコム)。現在、日本銀行が金融緩和を行っているが、金融緩和の行き過ぎで日本円の価値が大きく毀損された場合、店などの売り手側は顧客である買い手が、日本円ではなく米ドルや人民元で支払ってくれることを好むようになるかもしれない。


 以前、福岡藩の天保の改革で藩札を大量発行した結果、3カ月あまりで藩札の価値が半分以下に下落して改革が失敗におわったことを書いたが(「福岡県の歴史」山川出版社 川添昭二、武末純一、岡藤良敬、西谷正浩、梶原良則、折田悦郎 P250)、八戸藩でも天保の飢饉の際に御用商人に銀札などを発行させて食料を強制的に買い上げ、飢饉に対処しようとしていた。しかし、インフレーションの進行のために価値が失われた銀札で農民から穀物を買い上げようとしたことから一揆(稗三合一揆と呼ばれる)が発生した(「青森県の歴史」山川出版社 長谷川成一、村越潔、小口雅史、斉藤利男、小岩信竹 P240)。不換紙幣の大量発行はあまりいい結果を残していないようだ。

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