投資家の目線

投資家の目線213(「会社再建」を再読する)

 「会社再建」といってもホークス球団の話ではない。ここでの「会社再建」(小学館)は保全管理人であった奥野善彦氏が著した、1998年10月に会社更生法を適用し、当時戦後最大規模の倒産といわれた日本リース(日本長期信用銀行系リース会社)の再建の話である。
 会社更生法を適用申請した日本リースのスポンサー探しのアドバイザーとなったのは、ゴールドマン・サックス証券だった。同書によれば、選んだ理由はM&Aに精通し、グローバルな視点から有力なスポンサーを多く広く探し出せる能力が求められたこと、また、敵対的なM&Aを行わない方針を守っていることだったようだ。
 その交渉過程で、保全管理人は日本リースをばら売りしない方向で考えていた。ばら売りしては従業員の雇用の確保はできないし、本来ならきちんと弁済できるものも弁済できなくなってしまうと考えていたためだ。結局、日本リースのリース事業と同社子会社の日本リースオートは、その条件に近かったGEキャピタルに譲渡されている。
 ちなみに当時の日本で、アドバイザーの手数料は取引額の3%が基準とのこと。100億円の取引なら手数料は3億円、200億円の取引ならば6億円となる。

 この案件と比べると、「かんぽの宿」の売却過程はそれほどおかしなものでないように見えるが・・・。
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・昨日、都議会選挙が終わった。26日の仙台市長選挙結果はどうなるか。

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