投資家の目線

投資家の目線179(Jパワー株の買取)

 TCIがJパワーに保有する同社株全株売却する。(簡易な)吸収合併等に関する会社法の規定(第797条)にある株式の買い取り制度を利用するようだ。その顛末については日経ヴェリタス第35号(2008/11/9~11/15)の記事にある。
 2008年8月1日の日本経済新聞朝刊の吸収分割広告には電源開発株式会社(Jパワー)、株式会社JPリソーシズ名で、「この会社分割に異議のある債権者は、本公告掲載の翌日から一箇月以内にお申し出下さい」と書いてある。これを見た限りでは、異議を表明できるのは同社の債権者のみと解釈するのが普通だ。最近の公告では債権者向けの言及はあるが株主向けの言及はなくなっているようだ。2004年ごろの簡易株式交換の公告では、「この株式交換に反対の株主は、・・・書面によりその旨を申し出ください」という記述があったが・・・。どうしてなくなったのだろう?「この会社分割に異議のある株主および債権者」という記述にした方がよいのではないか?

 しかし、TCIの売却価格は現在の株価よりは相当高い。これに気づかなかった株主は株式を高値で売却する機会を逃したことになる。株主はこのような公告にも目を皿のようにして注意を払い、prudent な投資家(慎重な投資家、抜け目のない投資家)を目指した方が賢明だ。
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・ブログからの情報によるとラオックスの新狭山店や春日部コンピューター館が完全閉店するようだ。11月14日に、同社は今期中に本体でさらに13店舗削減して26店舗に、グループを含めると9月末の52店舗を33店舗まで削減すると発表した。秋葉原ではソフマップの中古パソコン1号館の3F、4Fが移転する。中古パソコン1号館の完全移転への布石だろうか?家電、PC関連の販売店も少しずつではあるがCHANGEしているようだ。
・アパグループの懸賞論文で最優秀賞をもらった「田母神論文」問題はまだ続いているが、昨年はじめにアパグループの建物に耐震偽装が見つかった問題はその後あまり報道されていない。あれからどうなったのだろう?

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