投資家の目線

投資家の目線178(新銀行東京問題)

 新銀行東京に対して国が公的資金を投入できるかどうかが、国会で問題になっている。同行は、元行員が融資に関する詐欺容疑で逮捕されたが、銀行全体の損失に比べれば小額だ。結局、「中小企業を救う」という目標は現実に沿わないものだったということだろう。いくら技術を持った中小企業でも、製造した商品が売れず、資金が回収できなければ生き残ることはできない。信用力の低い人々にマイホームの夢を持たせた米国のサブプライムローンにも通ずるものがある。
 批判にさらされているスコアリングシステムは消費者金融の融資に使われている。融資限度を低くするとか、新たなファクターを付け加えるとかすれば、同行でももっとましな結果が出ていたのではないだろうか。それでも普通の銀行に比べて貸し唐齬ヲは高いだろうが、審査にかかるコストは減らせるはずで、スコアリングシステムの利用が旧来の融資制度に比べて劣っているとは言い切れない。そういうドライな関係の銀行があってもいいだろう。しかし、それでは当初の高めの経営目標を達成できなかっただろうし、金融庁の奨めるリレーションバンキングにも適合しないだろうが・・・。
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・更迭された前空幕長が受賞した論文ってアパグループ関連の懸賞だったのですね。アパといえば、昨年はじめに耐震偽装建築物件が出てきたことを思い出す。
・米国大統領選は民主党のオバマ候補が勝利した。米国議会も民主党が圧涛Iに勝利した。麻生政権はこのCHANGEに対応できるのか?
・ZAITEN2008年12月号に、「『夕刊フジ』休刊を見据える産経新聞の思惑」という記事があった。産経新聞の平成20年3月期の当期純利益(連結)は前年比46.7%減の6.48億円だった。同社は無担保社債を発行している。格付けを維持したりするには利益を確保しなければならないのかもしれない。
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