『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見てきました。
取りあえず見ていない人はこんな場末のブログに訪問せず、明日朝一でも見て来なさい。
「あらすじ」
昭和31年
帝国血液銀行に勤める水木は担当である龍賀製薬の当主龍賀時貞の訃報を知り一族が住まう哭倉村へと足を運ぶ。
読み上げられた遺言状により彼が懇意にしていた次男克典ではなく、長男の時麿が当主に指名されたことにより彼の思惑は外れてしまう。
しかし、その夜何者かによって龍賀一族の一人が殺害され、付近をうろついていた怪しげな男を犯人として捕まえるが・・・。
怪しい男の正体、水木の本当の目的、そして哭倉村に隠された真実とは。
謎が謎を呼ぶ怪奇ホラーミステリー譚ここに開幕。
いわゆる6期鬼太郎にはかなり思い入れがあります。
最初はネコ娘のビジュアルがかなり変わったし、新しいキャラも登場するからちょっと見てみようか程度の気持ちだったのですが、途中からドはまり。
一時期は冗談抜きで心の支えになっていましたね。
既存の作品と違いハイターゲット層を中心としていることもあり、話の造りが上手い。
明確な描写は少ないものの過疎化による地域の衰退、原発問題、老々介護に人身売買、Youtuberトラブルやメガソーラーなどともかく現代に降りかかる様々な問題に妖怪を絡めて表現しています。
話の締めも鬼太郎が妖怪を退治してハイ終わりではなく、誰一人救いのない物語もあり結末の読めない作品でした。
一番好きな話はべたですがすねこすり回ですね。
もし機会があれば見てください。
さて、映画の感想ですが一言で言えば紛れもない名作。
鬼太郎と言うとつい妖怪退治のヒーロー物を想像してしまいますが、この作品をジャンルで分類するなら「ホラー」や「ミステリー」に属すると思います。
よく考えると「ゲゲゲ」も「鬼太郎」もタイトルには入っていますが、この作品「ゲゲゲの鬼太郎」ではないんですよね。
そういう意味でも旨いタイトルかなと。
哭倉村の表現が秀逸。
映像こそ最新のアニメですが、田舎に流れる独特のドロドロとした淀みのようなものこれでもかと表現されています。
例えるなら今話題の因習村。
特に遺言状を公開する大広間に入った後の目の動きの描写には驚きましたね。
音もなく単純な動きだけでここまで恐怖をあおれるのかと。
そして中盤以降の救いようのない展開。
「人の心とかないんか?」の展開後にそれを上回る「人の心とかないんか?」の展開。
とどめとばかりに「人の心とかないんか?」
そしてデザートに「人の心とかないんか?」のオマケ付きと言う怒涛のラッシュ。
とにかくエグく、人の醜さをこれでもかと見せつけてくれます。
あまり耐性のない人だとトラウマ物の作品ですね。
しかし、それを補って魅力のある作品です。
難点としてひとつは上記のエグさによる年齢制限。
一応PG12扱いなのですが、よくPG12で通ったなと言えるレベルの内容。
それくらい内容がエグイです。
二つ目はテンポの速さ。
勿論良い意味でも早いのですが、序盤はかなり高速で進んでいくのでちょっと流れが速いなと感じるところも。
本当はもっと語りたいのですが、長くなったのでここまで。
文章だけのブログだとやっぱり長くなっちゃいますが、Youtubeとかでゆっくり嚙ませて読ませると良い感じになるのだろうか。