またたび

どこかに住んでいる太っちょのオジサンが見るためのブログ

僕はここで育ちました。そしてつぶしました。

2011-01-21 08:18:35 | 仙台
年に数回仙台に立ち寄り、アーケードを歩くと
少しづつではあるが店が変わっていることに気づく。
時計屋がドラッグストアになっていたり、
パチンコ屋がつぶれてゲームセンターになっていたり、
不況と言ってはおしまいだけど、何かしらの思い出がある店がなくなっていたら、
そのショックは大きい。

仙台の思い出の場所は何といってもタワレコとHMVだ。

視聴するなら一番町HMV、そして買うならフォーラスにあるタワレコ。
ただ単にヘッドフォンの聞こえがいいのがHMVでタワレコはポイントカードを
持っていただけの話だ。

飲み会があったら、待ち合わせの何時間も前にきて、
ずぅっと音楽を聴いていた。
何時間でも視聴できた。
時間が許す限り、居続けた。
授業が早く終わった日はDioですっ飛ばして、
ここで音楽を聞き続けた。
ほんとに聞き続けた。

大学を卒業し東京に住むようになり、年に数回しか仙台に戻れなくなった。

戻るたびにいつものHMV~タワレコツアーは欠かせなかった。

しかし、いつも間にかフォーラスにあったタワレコがなくなり、
そして、ついに

通いなれたHMVがなくなっていた。

見ての通りのシューズショップになっていた。

ダウンロード全盛期の今はCDが売れないのだ。

寂しさ、切なさがこみあげてきて、
思い出の場所を失った喪失感に東北の冷たい風が
追い風となり、一瞬言葉にならない孤独を感じた。

街の風景が変わっていく。
HMVがあったことを知らない人はその場所はシューズショップの
思い出になって、そうやって時代は進んで行くんだ。

この前、吉祥寺にあるタワレコで久しぶりにCDを買った。
すると、ポイントカードの期限が切れていてポイントが無効になった。
1年間もタワレコで何も買っていなかったのだ。
最近は買うとしてもアマゾンか中古レコード屋ばかりだ。
音楽好きを自負する自分でさえ、新譜をCDショップで買っていないんだ。
嗚呼、HMVをつぶしたのは僕かもしれない。