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しばらく改修工事をしていた群馬県立近代美術館。
この夏からまた展示が始まりました。
リニューアル後初の企画展は「うるわしき薔薇」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/1a/c42f3f72b5972e5b8e5e416ddc45fdd4.jpg)
薔薇づくしの展覧会でした。
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテが原画を描き、多色刷点刻銅版画で出版した植物図譜『バラ図譜』。
前半はこの版画の薔薇がひたすら続きます。
一口に薔薇と言っても、様々な色や形のものがあって面白い。
そして年代順に並べてあるので、どのように品種改良がされてきたのかというのもよく分かります。
時代が新しくなるにつれ、花びらが多くゴージャスになっていく印象でした。
あまりにもたくさんの版画の後には、植物画家の二口善雄氏による『ばら花譜』の原画。
ここまではお花畑を歩いているような感覚。
薔薇ってきれいだなぁ。
これであと香りがあればなぁ。
みたいな。
でも最後の石内都さんの写真にがつんとやられました。
まるで人物を撮影したかのような薔薇の写真。
薔薇の花びらがまるで人間の皮膚のようです。
言われなければ薔薇の写真と気付かないものもあります。
ここまでは薔薇の美しさばかりがクローズアップされていたのですが、ここでは薔薇の生々しさや、あっという間に見頃を終えてしまう儚さが感じられました。
花びらの端が茶色くなって乾涸らびていく様子も容赦なくとらえる石内さん。
生き物である以上ピークがあり、ピークは過ぎ去っていくもの。
それでも生きていく。
薔薇のしたたかな強さを見たような感じがしました。
様々な角度から薔薇を観る展覧会。
おすすめです。